2023年01月14日 14:32
第2章 (エウレイ書)
1 是の故に我等聞きし所を尤愼むべし、恐らくは或は離れ落ちん。
2 蓋若し天使等に藉りて告げられし言は堅く立ちて、凡の違背と不順とは公正の報を受けしならば、
3 我等此く如き救を顧みずして、如何ぞ逭るるを得ん。斯れ始主に因りて傳へられ、彼より聞きし者に因りて我等の中に堅く立てられ、
4 神に緣りて、其旨に循ひて、休徴、奇蹟、種種の異能、及び聖神゜の分予を以て證せられたり。
5 蓋神は我等が言ふ所の未來の世を天使等に服せしめしに非ず、
6 然れども或人一篇に證して曰へり、人は何物たる、爾之を憶ふか、人の子は何物たる、爾之を顧みるか。
7 爾彼を天使等より少しく遜らしめ、彼に光榮と尊貴とを冠らせ、彼を爾が手の造りし者の上に立て、 8 萬物を其足下に服せしめたりと。既に萬物を彼に服せしめたれば、乃一も彼に服せざりし者を遺さざりき。然れども今我等は未だ萬物の彼に服せられしを見ず、
9 唯我等は天使等より少しく遜らしめたるイイススが、死を受くる爲に、光榮と尊貴とを冠らせられたるを見る、彼が神の恩寵に由りて、衆人の爲に死を嘗めん爲なり。
10 蓋萬物の本づく所、萬物の歸する所の者が、多くの子を光榮に導きて、彼等の救の君として、苦を以て成全せしむるは、宜しきに合へり。
11 蓋聖にする者と聖にせらるる者とは、皆一の者より出づ、是の故に彼等を兄弟と稱ふるを愧ぢずして、
12 曰く、我爾の名を我が兄弟に傳へ、爾を會中に詠はん。
13 又曰く、我彼を賴まん。又曰く、視よ、我及び神が我に與へし諸子は此に在りと。
14 夫れ諸子は肉と血とに屬するが故に、彼も亦親しく之を受けたり、死を以て、死の權を秉る者、卽惡魔を空しくし、
15 死を畏るるに因りて生涯奴役に服せし者を釋たん爲なり。
16 蓋彼は天使等より受くるに非ず、卽アウラアムの裔より受く。
17 故に凡の事に於て兄弟に肖るべかりき、神の前に矜恤、忠信なる司祭長と爲りて、民の罪を贖はん爲なり。
18 蓋彼親ら試みられて、難を受けしが故に、試みらるる者にも能く助くるを爲すなり。
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