2023年01月15日 13:45
第二十三章 (マトフェイ福音)
1 當時イイスス民及び其門徒に語りて曰へり。
2 モイセイの位に學士及びファリセイ等は坐せり。
3 故に彼等が凡そ爾等に守らんことを命ずる者は、守りて之を行へ、然れども彼等の行に效ふ勿れ、蓋彼等は言ひて行はず。
4 彼等は重く且負ひ難き任を縛りて、人の肩に負はすれども、己は一の指を以てすら、之を動かすを欲せず。
5 凡そ彼等が行ふ所は、人に見られん爲に行ふ、其佩經を闊くして、其衣の裾を大にす。
6 又筵には上席、會堂には首座、
7 街衢には問安、人人よりは夫子夫子と稱へらるるを好む。
8 然れども爾等は夫子と稱へらるる勿れ、蓋爾等の師は一、卽天に在す者なり。卽ハリストスなり、爾等は皆兄弟なり。
9 亦地に在る者を父と稱ふる勿れ、蓋爾等の父は一、卽天に在す者なり。
10 亦導師と稱へらるる勿れ、蓋爾等の導師は一、卽ハリストスなり。
11 爾等の中に大なる者は爾等の役者となるべし。
12 蓋自ら高くする者は、卑くせられ、自ら卑くする者は、高くせられん。
13 禍なる哉爾等、僞善なる學士及びファリセイ等よ、蓋爾等は天國を人の前に閉ぢて、自ら入らず、入らんと欲する者にも入るを許さず。
14 禍なる哉爾等、僞善なる學士及びファリセイ等よ、爾等は嫠の家を呑み、佯りて長き祈を爲す、是に由りて更に重き定罪を受けん。
15 禍なる哉爾等、僞善なる學士及びファリセイ等よ、蓋爾等は一人をも教に進ましめん爲に、海陸を巡り、旣に進めば、彼を爾等に倍したる地獄の子と爲す。
16 禍なる哉爾等、瞽なる嚮導者よ、爾等は云ふ、人若し殿を指して誓はば、事なし、殿の金を指して誓はば、償ふべしと。
17 愚にして瞽なる者よ、孰か大なる、金か、抑金を聖ならしむる殿か。
18 又云ふ、人若し祭壇を指して誓はば、事なし、其上の禮物を指して誓はば、償ふべしと。
19 愚にして瞽なる者よ、孰か大なる、禮物か、抑も禮物を聖ならしめる祭壇か。
20 故に祭壇を指して誓ふ者は、祭壇及び凡そ其上に在る者を指して誓ふなり、
21 又殿を指して誓ふ者は、殿及び其中に居る者を指して誓ふなり、
22 又天を指して誓ふ者は、神の寶座及び其上に坐する者を指して誓ふなり。
23 禍なる哉爾等、僞善なる學士及びファリセイ等よ、蓋爾等は薄荷、茴香、馬斤の十分の一を納めて、律法の尤重き義と仁と信とを遺てたり、此れ行ふ可きなり、彼も亦遺つ可からず。
24 瞽なる嚮導者よ、爾等は蚊を濾して、駱駝を呑む者なり。
25 禍なる哉、爾等、僞善なる學士及びファリセイ等よ、蓋爾等は杯と皿との外を潔むれども、其内に貪婪と不義と充てり。
26 瞽なるファリセイよ、先づ杯と皿との内を潔めよ、其外も潔くならん爲なり。
27 禍なる哉爾等、僞善なる學士及びファリセイ等よ、蓋爾等は白く塗りたる塋に似たり、外は美しく見ゆれども、内は骸骨と汚穢と充てり。
28 是くの如く爾等も外は人人に義なる者と見ゆれども、内は僞善と不法と充てり。
29 禍なるかな爾等、僞善なる學士及びファリセイ等よ、蓋爾等は預言者の塋を建て、義者の墓を飾り、
30 且云ふ、我等若し我が先祖の日に在りしならば、彼等が預言者の血を流すことに與せざりしならんと。
31 是くの如く爾等は自ら己が預言者を殺しし者の子たるを證す。
32 爾等先祖の量を充たせ。
33 蛇蝮の類よ、爾等安ぞ地獄の定罪を逭れん。
34 故に視よ、我爾等に預言者と智者と學士とを遣す、而して爾等は其中或者を殺し、又は十字架に釘し、或者を爾等の會堂に鞭ち、又は邑より邑に逐はん、
35 凡そ地上に流されし義人の血、義なるアワェリの血より、爾等が殿と祭壇との間に殺ししワラヒヤの子ザハリヤの血に至るまで、皆爾等に歸せん爲なり。
36 我誠に爾等に語ぐ、此等皆斯の代に歸せん。
37 イエルサリムよ、イエルサリムよ、預言者を殺し、爾に遣されし者を石にて擊つ者よ、我幾次か母鶏が其雛を翼の下に集むる如く、爾の諸子を集めんと欲したれども爾等は欲せざりき。
38 視よ、爾等の家は虛しくして爾等に遺さる。
39 蓋我爾等に語ぐ、今より後、主の名に因りて來る者は祝福せらると、云ふに至るまで、爾等我を見ざらん。
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