2023年01月15日 13:46
第二十四章 (マトフェイ福音)
1 イイスス出でて、殿より往けるに、其門徒彼に就きて、殿の造構を觀さんとせり。
2 イイスス彼等に謂へり、爾等盡く此等の者を見るか、我誠に爾等に語ぐ、此には一の石も石の上に遺らずして、皆く圯されん。
3 彼が橄欖山に坐せる時、門徒私に彼に就きて曰へり、請ふ、我等に告げよ、何の時に此の事あらん、又爾の降臨と世の終末との兆は如何なるか。
4 イイスス彼等に答へて曰へり、愼みて人に惑はさるる勿れ。
5 蓋多くの者は我が名を冒して來り、我はハリストスなりと云ひて、多くの者を惑はさん。
6 又爾等戦と戦の風聲とを聞かん、愼みて懼るる勿れ、蓋此れ皆有るべし、惟此れ尚末期には非ず。
7 蓋民は民を攻め、國は國を攻めん、飢饉、疫病、地震處々に在らん。
8 此れ皆苦難の始なり。
9 其時人爾等を艱苦に付し、爾等を殺し、爾等我が名の爲に萬民に憎まれん。
10 其時多くの者は躓き、相付し、相憎まん。
11 又多くの僞預言者起りて、多くの者を惑はさん。
12 不法の増すに因りて、多くの者の愛は冷にならん。
13 惟終に至るまで忍ぶ者は救はれん。
14 又此の天國の福音は徧く天下に傳へられん、萬民に證を爲さん爲なり、然る後末期至らん。
15 故に爾等預言者ダニイルを以て言はれたる荒廢の憎むべき物の聖處に立つを見ば、(讀む者悟るべし、)
16 其時イウデヤに在る者は山に遁るべし、 17 屋の上に在る者は、其家より物を取らん爲に、下るべからず、 18 田に在る者は、其衣を取らん爲に、歸るべからず。 19 當日には妊める者と乳を哺まする者と禍なる哉。 20 爾等の遁ぐることの冬或は安息日に在らざらん爲に祈れ。 21 蓋其時大なる患難あらん、世界の始より今に至るまで、未だ此くの如きはあらざりき、後も亦あらざらん。 22 若し其日減ぜられずば、凡の肉身の救はるる者なからん、然れども選ばれたる者の爲に其日減ぜられん。 23 其時若し人爾等に告げて、視よ、ハリストス此に在り、或は彼に在りと云はば、信ずる勿れ。 24 蓋僞ハリスト及び僞預言者起りて、大なる奇徴と奇蹟とを施し、若し能すべくば、選ばれたる者をも惑はすに至らん。 25 視よ、我豫め爾等に言へり。 26 故に若し爾等に告げて、視よ、彼は野に在りと云ふ者あらば、出づる勿れ、視よ、彼は密室に在りと云ふ者あらば、信ずる勿れ。 27 蓋電の東より発して、西にまで閃くが如く、人の子の來るも亦是くの如くならん。 28 蓋屍の在る所には、鷲集らん。 29 其日の患難の後、忽日は晦み、月は其光を施さず、星は天より隕ち、天勢は震ひ動かん。 30 其時人の子の記號は天に現れん、其時地上の諸族は哭き哀み、人の子が、權能と大なる光榮とを以て、天の雲に乗りて來るを見ん。 31 彼は其天使等を大なる光榮の菰と與に遣し、彼等は其選ばれたる者を四風より集めて、天の此の極より彼の極に至らん。 32 無花果樹の譬を學べ、其枝已に柔にして葉萌せば、爾等夏の近きを知る。 33 是くの如く爾等凡そ此等の事を見ば、時の近くして、門に在るを知れ。 34 我誠に爾等に語ぐ、此の世未だ逝かずして、此れ皆成るを得ん。 35 天地は廢せん、然れども我が言は廢せざらん。 36 其日其時は、之を知る者なし、天の使等も知らず、惟我が父のみ之を知る。 37 然れどもノイの日の如く、人の子の來るも亦是くの如くならん。 38 蓋洪水の先の時、ノイの方舟に入る日まで、人人食ひ飮み、娶り嫁ぎて、 39 洪水の來りて、盡く彼等を滅すに至るまで、知らざりし如く、人の子の來るも亦是くの如くならん。 40 其時二人田に在らんに、一人は取られ、一人は遺さる。 41 二の婦磨を旋かんに、一人は取られ、一人は遺さる。 42 故に儆醒せよ、爾等の主の何の時に來るを知らざればなり。 43 若し家主盗賊の何の更に來るを知らば、儆醒して、其家を穿つを許さざらん、是れ爾等の知る所なり。 44 是の故に爾等も己を備へよ、蓋爾等が意はざる時に人の子來らん。 45 孰か忠にして智なる僕、其主が諸僕の上に立てて、時に隨ひて彼等に糧を與へしむる者たる。 46 主の來る時、彼が斯く行ふを見ば、其僕福なり。 47 我誠に爾等に語ぐ、彼を立てて其一切の所有を督らしめん。 48 然れども若し其惡しき僕、心の中に我が主の來るは遅からんと曰ひて、 49 其同僚を打ち、酒徒と偕に食飮せば、 50 乃俟たざる日、知らざる時に、其僕の主來りて、 51 彼を斷ち、彼を僞善者と同じき分に處せん、彼處に哀哭と切齒とあらん。
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16 其時イウデヤに在る者は山に遁るべし、 17 屋の上に在る者は、其家より物を取らん爲に、下るべからず、 18 田に在る者は、其衣を取らん爲に、歸るべからず。 19 當日には妊める者と乳を哺まする者と禍なる哉。 20 爾等の遁ぐることの冬或は安息日に在らざらん爲に祈れ。 21 蓋其時大なる患難あらん、世界の始より今に至るまで、未だ此くの如きはあらざりき、後も亦あらざらん。 22 若し其日減ぜられずば、凡の肉身の救はるる者なからん、然れども選ばれたる者の爲に其日減ぜられん。 23 其時若し人爾等に告げて、視よ、ハリストス此に在り、或は彼に在りと云はば、信ずる勿れ。 24 蓋僞ハリスト及び僞預言者起りて、大なる奇徴と奇蹟とを施し、若し能すべくば、選ばれたる者をも惑はすに至らん。 25 視よ、我豫め爾等に言へり。 26 故に若し爾等に告げて、視よ、彼は野に在りと云ふ者あらば、出づる勿れ、視よ、彼は密室に在りと云ふ者あらば、信ずる勿れ。 27 蓋電の東より発して、西にまで閃くが如く、人の子の來るも亦是くの如くならん。 28 蓋屍の在る所には、鷲集らん。 29 其日の患難の後、忽日は晦み、月は其光を施さず、星は天より隕ち、天勢は震ひ動かん。 30 其時人の子の記號は天に現れん、其時地上の諸族は哭き哀み、人の子が、權能と大なる光榮とを以て、天の雲に乗りて來るを見ん。 31 彼は其天使等を大なる光榮の菰と與に遣し、彼等は其選ばれたる者を四風より集めて、天の此の極より彼の極に至らん。 32 無花果樹の譬を學べ、其枝已に柔にして葉萌せば、爾等夏の近きを知る。 33 是くの如く爾等凡そ此等の事を見ば、時の近くして、門に在るを知れ。 34 我誠に爾等に語ぐ、此の世未だ逝かずして、此れ皆成るを得ん。 35 天地は廢せん、然れども我が言は廢せざらん。 36 其日其時は、之を知る者なし、天の使等も知らず、惟我が父のみ之を知る。 37 然れどもノイの日の如く、人の子の來るも亦是くの如くならん。 38 蓋洪水の先の時、ノイの方舟に入る日まで、人人食ひ飮み、娶り嫁ぎて、 39 洪水の來りて、盡く彼等を滅すに至るまで、知らざりし如く、人の子の來るも亦是くの如くならん。 40 其時二人田に在らんに、一人は取られ、一人は遺さる。 41 二の婦磨を旋かんに、一人は取られ、一人は遺さる。 42 故に儆醒せよ、爾等の主の何の時に來るを知らざればなり。 43 若し家主盗賊の何の更に來るを知らば、儆醒して、其家を穿つを許さざらん、是れ爾等の知る所なり。 44 是の故に爾等も己を備へよ、蓋爾等が意はざる時に人の子來らん。 45 孰か忠にして智なる僕、其主が諸僕の上に立てて、時に隨ひて彼等に糧を與へしむる者たる。 46 主の來る時、彼が斯く行ふを見ば、其僕福なり。 47 我誠に爾等に語ぐ、彼を立てて其一切の所有を督らしめん。 48 然れども若し其惡しき僕、心の中に我が主の來るは遅からんと曰ひて、 49 其同僚を打ち、酒徒と偕に食飮せば、 50 乃俟たざる日、知らざる時に、其僕の主來りて、 51 彼を斷ち、彼を僞善者と同じき分に處せん、彼處に哀哭と切齒とあらん。