2023年01月16日 13:05
第五章 (エウレイ書)
1 蓋凡そ人の中より選ばるる司祭長は、人の爲に神に奉事することを任ぜられて、禮物と祭祀とを罪の爲に献ずる者にして、
2 無智なる者及び迷ふ者を憐むを能す、蓋自も亦柔弱に纏はる、
3 故に彼は、民の爲にするが如く、己の爲にも亦罪を贖ふ祭を獻ずべし。
4 且人誰も自ら此の尊貴を受くるなし、乃神に召さるる者なり、アアロンの如く然り。
5 是くの如くハリストスも、自ら司祭長の尊榮を以て、己に歸せしに非ず、乃彼に、爾は我の子、我今日爾を生めりと、言ひし者なり、
6 又他章に云へるが如し、爾メルヒセデクの班に循ひて司祭と爲り、世世に迄らんと。
7 彼は肉體に在りし日、大なる聲と涙とを以て、彼を死より救ふを能する者に祈禱祈願を奉れり、而して其敬畏に由りて聴かるるを得たり。
8 彼は子なりと雖、其受けし苦に由りて順ふことを學べり。
9 已に全くせられ、凡そ彼に順ふ者の爲に永遠の救の原と爲りて、
10 神よりメルヒセデクの班に循ふ司祭長と稱へられたり。
11 此に就きては、我爾等に多く言ふべき事あれども、爾等聽くに鈍くなりたるに因りて、解き難し。
12 蓋爾等は時の久しきに因りて、教師たるべき者なり、然るに爾等は復神の言の小學を教へられんことを要す、爾等は乳を要する者と爲れり、堅き食に非ず。
13 凡そ乳に養はるる者は義の言に熟達せず、赤子たるが故なり。
14 堅き食は、乃熟鍊を以て善惡を別つことに習ひたる感覺を具ふる成人の用ゐる所なり。
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