2023年01月16日 15:26
第十二章 (エウレイ書)
1 故に我等も證者の斯く雲の如く衆きに囲まれて、凡の重負と我等を阻む罪とを去り、忍耐を以て、我等の前に在る馳塲を趨りて、
2 我等の信の首、及び成全者イイススを仰ぎ望むべし、彼は其前に在りし喜に易へて、辱を意とせず、十字架を忍びて、神の寶座の右に坐せり。
3 故に爾等は罪人等の斯く己に逆ひしを忍びたる者を思へ、爾等が倦みて靈の弱らざらん爲なり。
4 爾等は罪に敵し、之と鬭ひて、未だ血を流すに至らざりき。
5 又子に於けるが如く爾等に告ぐる所の勸を忘れたり、曰く、吾が子よ、主の懲戒を軽んずる勿れ、又彼に責めらるる時、心を喪ふ勿れ。
6 蓋主は其愛する者を懲し、凡そ納るる所の子を鞭つと。
7 爾等若し懲戒を忍ばば、神は子の如く爾等を待つなり。蓋子にして父の懲さざる者あらんや。
8 爾等若し衆の與る所の懲戒に遭はずば、乃私生の子にして、嫡子に非ず。
9 又我等は肉體の父より懲されて、彼等を敬へり、況や我等益諸神゜の父に従ひて、生を得べからざらんや。
10 彼等は己の意に任せて、暫時の爲に我等を懲せり、然れども彼は我等を益して、我等が彼の聖に與らん爲にするなり。
11 凡の懲戒は、今は喜に非ずして、悲なりと意はる、然れども後には、之に由りて鍊達せし者に、義の平安なる果を結ばしむるなり。
12 故に爾等衰へたる手、弱りたる膝を健にし、
13 爾等の足を以て直き径を行け、跛者の迷ふなくして、寗痊されん爲なり。
14 務めて衆人と和睦し、又聖潔を守れ、蓋聖潔に非ざれば、人主を見るを得ず。
15 爾等愼め、恐らくは神の恩寵を失ふ者あらん、恐らくは苦き根は萌え出でて、害を爲し、多くの者之に由りて汚されん、
16 恐らくは淫行の者、或は不敬虔なることイサフの如き者あらん、卽一食の爲に其長子の業を鬻ぎたる者なり。
17 蓋爾等知る、其後彼は祝福を嗣がんと欲したれども、棄てられたり、涕を流して求めたれども、父の志を回す能はざりき。
18 爾等の就きし所は、捫るべき山に非ず、又熾ゆる火と、密雲と、黑闇と、暴風と、
19 箛の音と、言語の聲とに非ず。此の聲を聞きし者は、復彼等に語を続がざらんことを求めたり、
20 蓋彼等は命ぜらるることを忍ぶ能はざりき。云く、獸も若し山に觸れば、石を以て撃ち、或は矢を以て射るべしと。
21 且其見る所の畏るべきは、モイセイも、我恐れ慄くと言ふに至れり。
22 然れども爾等の就きし所は、乃シオンの山及び活ける神の城、天のイエルサリム及び萬々の天使、
23 慶賀の會及び天に録されたる冢子の教會、及び衆の審判者たる神、及び成全せられし義人等の神゜、
24 及び新約の中保者たるイイスス、及び灑ぐ所の血、卽アワェリの血に較ぶれば更に善く言ふ者なり。
25 愼みて、告ぐる者を拒む勿れ。蓋若し彼等地に在りて命を傳ふる者を拒みて、免れざりしならば、況や我等天より命を傳ふる者に背かば、更に免れざらん。
26 彼の聲は其時地を震はせたり、然れども今彼は約して曰へり、我又一次地のみならず、天をも震はせんと。
27 又一次と言へるは、震ふべき者の、其造られしを以て、移さるるを示す、震ふべからざる者の留らん爲なり。
28 故に我等は震ふべからざる國を受けて、恩寵を保ち、之に由りて、敬虔と寅畏とを懷きて、神の悅ぶ所の如く奉事すべし。
29 蓋我等の神は燬き盡す火なり。
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