2023年01月22日 12:55
第10章 (コリンフ後書)
1 余パワェル、面前には爾等に對して謙卑、離れては爾等に向ひて勇ましき者は、ハリストスの温柔と寛容とを以て爾等に勸む。
2 切に求む、我をして來りて後、敢爲なる勇を用ゐざらしめんことを、卽我が或人、我等肉に循ひて行ふと意ふ者に對して、敢て用ゐんと意ふ所の者なり。
3 蓋我等は肉に在りて行へども、肉に循ひて戰はず。
4 我等が戰の器は肉に屬せず、乃神に由りて壘を破る能あり、
5 我等此を以て諸の謀と凡そ神の知識に逆ふ高慢とを破り、凡の意思を擒にして、ハリストスに従はしめ、
6 且爾等の順従の全くせられて後、凡の不順を罰するに備はれり。
7 爾等は外貌を觀るか。自らハリストスに屬すと信ずる者は、己に憑りて度るべし、彼がハリストスに屬する如く、斯く我等もハリストスに屬するなり。
8 蓋我若し主の、爾等を敗るが爲に非ずして、建つるが爲に、我等に與へし權を以て愈誇るとも、愧を得ざらん。
9 然れども我は書を以て爾等を驚かすに似んことを欲せず。
10 蓋言ふ者あり、其書は重くして強し、其會ふ時の容は懦く、其言は陋しと。
11 若る者は知るべし、我等が離れ居る時、書の言若何、會ふ時行ふ所も亦是くの如きを。
12 蓋我等は敢て己を彼の自ら誉むる者に匹べ、或は較ぶるを爲さず。彼等が己を以て己を度り、己を以て己に較ぶるは無知なり。
13 然れども我等は量を踰えて誇らんとするに非ず、乃神が我等に頒ちたる分の量に循ふ、此れ爾等にまで至る所の量なり。
14 蓋我等は爾等にまで至らざる者の如く己を張るに非ず、ハリストスの福音を以て爾等にまで至りたればなり。
15 我等は量を踰えて、他人の功勞を以て誇るに非ず、卽爾等の信の長ずるに随ひて、爾等の中に益我等の分を広大にせんことを望む、
16 此れ爾等より遠き處にも福音を傳へん爲にして、他人の分に於て、已に備へたる者を以て誇らん爲に非ず。
17 誇る者は主に由りて誇るべし。
18 蓋自ら誉むる者は嘉とせらるるに非ず、卽主の誉むる所の者なり。
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