2023年01月22日 12:56
第11章 (コリンフ後書)
1 願はくは爾等少しく我の無知を容れよ、然れども爾等は已に我を容るるなり。
2 我神に於ける熱心を以て、爾等の爲に熱心するに因る、蓋我爾等を一の夫に聘定せり、淨き處女としてハリストスに獻げん爲なり。
3 惟我恐る、蛇が其狡猾を以てエワを誘ひし如く、爾等の意思も壊はれて、ハリストスに由る樸實を失はんことを。
4 蓋若し人來りて、我等が未だ傳へざりし他のイイススを傳へ、或は爾等が未だ受けざりし他の神を受け、或は未だ承けざりし他の福音を承くる時は、爾等善く之を容るるならん。
5 我意ふに、我は一も至大なる使徒に亞る所なし。
6 蓋我言には俚しと雖、知識には然らず。然れども我等は一切の事に於て全く爾等に知られたり。
7 我爾等の高くせられん爲に、自ら卑くなり、価なくして爾等に神の福音を傳へしは罪を犯ししか。
8 我他の教會に費を爲さしめて、爾等に役めん爲に、之より供給を受けたり、爾等の中に居りし時、乏しかりと雖、何人を累はさざりき。
9 蓋マケドニヤより來りし兄弟は我の乏しきを補ひたり、且凡の事に於て、我自ら守りて、爾等を累はざりき、後も亦自ら守らん。
10 我に在るハリストスの眞實に由りて云ふ、此の誇はアハイヤの諸方に於て我より奪はれざらん。
11 何の故ぞ、爾等を愛せざるに由るか、。神之を知る。
12 然れども我が行ふ所は、仍之を行はん、機を尋ぬる者には機を絶たん爲、彼等をして其誇る所の我等と同じからしめん爲なり。
13 蓋此くの如き偽の使徒、詭譎の工者は、ハリストスの使徒の貌に変ず。
14 此れ奇とするにも足らず、サタナ自ら光明の天使の貌に変ずるに因る。
15 故に彼の役者が義の役者の貌に変ずるも、亦大なる事に非ず、彼等の終は其行に循はん。
16 我又言ふ、人我を無智なる者と意ふ勿れ、然らずば、或は我を無智なる者として受けよ、我も聊か誇るを得ん爲なり。
17 我が言ふ所は、主に循ひて言ふに非ず、乃此の誇の分に於て、無智者の如く言ふなり。
18 多くの人肉に循ひて誇るが故に、我も亦誇らん。
19 蓋爾等は智なる者にして、喜びて無智なる者を容る。
20 人若し爾等を奴隸と爲し、人若し爾等を啖ひ、人若し爾等を刧め、人若し爾等に驕り、人若し爾等の面を批たば、爾等之を容る。
21 我耻ぢて言ふ、是が爲には我等弱かりき、然れども人若し何をか敢て誇らば、無智に由りて言ふ、我も敢てするなり。
22 彼等エウレイ人なるか、我も然り。イズライリ人なるか、我も然り。アウラアムの裔なるか、我も然り。
23 ハリストスの役者なるか、狂して言ふ、我愈れり。我勞に服せしこと較多く、鞭うたれしこと過度、獄に繋がれしこと更に多く、死に瀕せしこと屡なりき。
24 我五次イウデヤ人より鞭を受けたり、四十に一を減ぜり。
25 三次杖にて撲たれ、一次石にて撃たれ、三次舟壊られて、一日一夜我深淵に在りき。
26 屡旅を爲し、河の難、盗賊の難、同族の難、異邦人の難、邑の中の難、野の中の難、海の中の難、偽兄弟の中の難に遇ひ、
27 勞し、疲れ、屡寝ねず、飢ゑ、渇き、屡禁食し、凍え、裸なりき。
28 他の諸事の外に、我毎日人々の集合、悉くの教會の慮あり。
29 誰か弱りて、我も弱らざらん、誰か躓きて、我熱中せざらん。
30 若し我誇るべくは、我の弱きを誇らん。
31 神、我等の主イイスス ハリストスの父、世世に祝讚せらるる者は、我がい謊らざるを知る。
32 ダマスクに於て、アレタ王の邑宰我を執へんと欲して、ダマスクの邑を守れり、我筐を以て牖より墻に循ひ、縋り下されて、彼の手を脫れたり。
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