2023年01月23日 13:38
第1章 (マルコ福音)
1 神の子イイスス ハリストスの福音の始なり。
2 諸預言者に錄されしが如し、云く、視よ、我我が使を爾の面前に遣し、爾に先だちて、爾の道を備へしめん。
3 野に呼ぶ者の聲在りて云ふ、主の道を備へ、其径を直くせよと。
4 イオアン野に在りて洗を授け、罪の赦の爲に悔改の洗禮を傳へたり。
5 イウデヤの全地及びイエルサリムの人人出でて、彼に就き、己の罪を認めて、皆イオルダン河に於て彼より洗を受けたり。
6 イオアンは駱駝の毛衣を衣、腰に皮の帶を束ね、蝗蟲と野蜜とを食へり。
7 彼宣べて曰へり、我の後に更に我より强き者は來る、我屈みて、其履の帶を解くにも堪へず。
8 我は水を以て爾等に洗を授けたり、彼は聖神゜を以て爾等に洗を授けん。
9 彼の日に當り、イイスス ガリレヤのナザレトより來りて、イオルダンに於てイオアンより洗を受けたり。
10 直に水より上る時、天開け聖神゜鴿の如く其上に降るを見たり。
11 又天より聲ありて云へり、爾は我の至愛の子、我が喜べる者なり。
12 聖神゜直に彼を引きて、野に適かしむ。
13 彼野に在ること四十日、サタナに試みられ、野獣と共に居り、天使等彼に奉事せり。
14 イオアンの囚はれし後、イイスス ガリレヤに來り、神の國の福音を傳へて
15 曰へり、期は滿ち、神の國は邇づけり、悔改して、福音を信ぜよ。 16 ガリレヤの海辺を行く時、彼はシモン及び其兄弟アンドレイが、網を海に施せるを見たり、蓋彼等は漁者なりき。 17 イイスス彼等に謂へり、我に從へ、我爾等を人を漁する者たらしめん。 18 彼等直に其網を遺して、之に從へり。 19 此より少しく進みて、ゼウェデイの子イアコフと其兄弟イオアンと、亦舟に在りて、網を補へるを見て、 20 直に彼等を召したり、彼等も父ゼウェデイを傭人と偕に舟に遺して、之に從へり。 21 カペルナウムに來れる後、安息日に遇ひて、彼會堂に入りて、教を宣べたり。 22 人人其訓を奇とせり、蓋彼等を教ふること權ある者の如し、學士等の如きに非ず。 23 彼等の會堂に汚鬼を患ふる人あり、呼びて、 24 曰へり、唉ナザレトのイイススよ、我等と爾と何ぞ與らん、爾は我等を滅さん爲に來りしか、我爾が誰なるを知る、乃神の聖なる者なり。 25 イイスス彼を禁めて曰へり、口を緘ぢて、之より出でよ。 26 汚鬼は其人を抅攣させ、大なる聲を以て叫びて、之より出でたり。 27 人皆駭きて、相問ひて云へり、此れ何ぞ、此れ如何なる新しき教ぞ、蓋彼權を以て汚鬼にも命じて、亦彼に順ふ。 28 其聲名忽ガリレヤの四方に播まれり。 29 直に會堂より出でて、イヤコフ、イオアンと偕にシモン及びアンドレイの家に來れり。 30 シモンの岳母熱を病みて臥したるに、或人直に之をイイススに告ぐ。 31 彼就きて、其手を執りて、之を起したれば、熱忽退きて、婦彼等に供事せり。 32 暮に及びて、日の入る時、凡そ病を負ひ、魔鬼に憑らるる者を彼に舁き來れるあり。 33 邑擧りて門に集れり。 34 彼は種種の病に苦める多くの者を醫し、多くの魔鬼を逐ひ出し、且魔鬼に其ハリストスたるを識ることを言ふを許さざりき。 35 朝未だ夜の明けざる前に、彼起きて、出でて野の處に適き、彼處に於て祈禱せり。 36 シモン及び之と偕に在りし者其跡を追ひ、 37 旣に遇ひて、彼に謂ふ、皆爾を尋ぬ。 38 彼は之に謂ふ、我等近傍の村と邑とに往くべし、我が彼處にも教を宣べん爲なり、蓋我は是が爲に來れり。 39 乃全ガリレヤに、彼等の會堂に於て、教を宣べ、且魔鬼を逐ひ出せり。 40 癩病の者來りて、彼に求め、彼の前に跪きて曰く、爾若し望まば、我を潔むるを能す。 41 イイスス憫みて、手を伸べ、彼に觸れて曰く、我望む、潔まれ。 42 言ひ畢れば、癩病直に離れ、其人潔まれり。 43 イイスス嚴しく彼を戒めて、直に去らしめ、 44 又彼に謂ふ、愼みて、何事をも人に語ぐる勿れ、乃往きて、己を司祭に示せ、且爾の潔まりし爲に、モイセイの命ぜし物を獻じて、彼等に證を爲せ。 45 然れども其人出でて後、多く宣べて、其事を播揚し、イイスス是より顯に城に入るを得ずして、外なる野の處に居るに至れり、人四方より彼に來れり。
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15 曰へり、期は滿ち、神の國は邇づけり、悔改して、福音を信ぜよ。 16 ガリレヤの海辺を行く時、彼はシモン及び其兄弟アンドレイが、網を海に施せるを見たり、蓋彼等は漁者なりき。 17 イイスス彼等に謂へり、我に從へ、我爾等を人を漁する者たらしめん。 18 彼等直に其網を遺して、之に從へり。 19 此より少しく進みて、ゼウェデイの子イアコフと其兄弟イオアンと、亦舟に在りて、網を補へるを見て、 20 直に彼等を召したり、彼等も父ゼウェデイを傭人と偕に舟に遺して、之に從へり。 21 カペルナウムに來れる後、安息日に遇ひて、彼會堂に入りて、教を宣べたり。 22 人人其訓を奇とせり、蓋彼等を教ふること權ある者の如し、學士等の如きに非ず。 23 彼等の會堂に汚鬼を患ふる人あり、呼びて、 24 曰へり、唉ナザレトのイイススよ、我等と爾と何ぞ與らん、爾は我等を滅さん爲に來りしか、我爾が誰なるを知る、乃神の聖なる者なり。 25 イイスス彼を禁めて曰へり、口を緘ぢて、之より出でよ。 26 汚鬼は其人を抅攣させ、大なる聲を以て叫びて、之より出でたり。 27 人皆駭きて、相問ひて云へり、此れ何ぞ、此れ如何なる新しき教ぞ、蓋彼權を以て汚鬼にも命じて、亦彼に順ふ。 28 其聲名忽ガリレヤの四方に播まれり。 29 直に會堂より出でて、イヤコフ、イオアンと偕にシモン及びアンドレイの家に來れり。 30 シモンの岳母熱を病みて臥したるに、或人直に之をイイススに告ぐ。 31 彼就きて、其手を執りて、之を起したれば、熱忽退きて、婦彼等に供事せり。 32 暮に及びて、日の入る時、凡そ病を負ひ、魔鬼に憑らるる者を彼に舁き來れるあり。 33 邑擧りて門に集れり。 34 彼は種種の病に苦める多くの者を醫し、多くの魔鬼を逐ひ出し、且魔鬼に其ハリストスたるを識ることを言ふを許さざりき。 35 朝未だ夜の明けざる前に、彼起きて、出でて野の處に適き、彼處に於て祈禱せり。 36 シモン及び之と偕に在りし者其跡を追ひ、 37 旣に遇ひて、彼に謂ふ、皆爾を尋ぬ。 38 彼は之に謂ふ、我等近傍の村と邑とに往くべし、我が彼處にも教を宣べん爲なり、蓋我は是が爲に來れり。 39 乃全ガリレヤに、彼等の會堂に於て、教を宣べ、且魔鬼を逐ひ出せり。 40 癩病の者來りて、彼に求め、彼の前に跪きて曰く、爾若し望まば、我を潔むるを能す。 41 イイスス憫みて、手を伸べ、彼に觸れて曰く、我望む、潔まれ。 42 言ひ畢れば、癩病直に離れ、其人潔まれり。 43 イイスス嚴しく彼を戒めて、直に去らしめ、 44 又彼に謂ふ、愼みて、何事をも人に語ぐる勿れ、乃往きて、己を司祭に示せ、且爾の潔まりし爲に、モイセイの命ぜし物を獻じて、彼等に證を爲せ。 45 然れども其人出でて後、多く宣べて、其事を播揚し、イイスス是より顯に城に入るを得ずして、外なる野の處に居るに至れり、人四方より彼に來れり。