2023年01月24日 13:35
第4章 (聖使徒行実)
1 彼等が民に語れる時、諸司祭と殿の宰とサッドゥケイ等と就きて、
2 彼等が民を教へ、及びイイススを引きて、死より復活を傳ふるに因りて、愠れり。
3 乃彼等に手を措きて、旦に至るまで彼等を守らしめたり、時已に暮れたればなり。
4 然れども言を聽きし者の中、多く信ぜり、其數約五千人なり。
5 明日、彼等の有司、長老、學士等、
6 及び司祭長アンナ、亦カイアファ、イオアン、アレキサンドル、其他司祭長の族人イエルサリムに集り、
7 使徒を中に立てて問へり、爾等は何の能、或は何の名を以て、此を行ひしか。
8 其時ペトル聖神゜に滿てられて、彼等に謂へり、民の有司及びイズライリの長老等よ、
9 若し今日我等、病みたる人に行ひし善事に就きて、其如何に愈されしと訊されば、
10 則爾等衆及び全イズライリ民は知るべし、イイスス ハリストス ナゾレイ、爾等の十字架に釘せる者、神が死より復活せしめし者の名に由りて、卽彼に由りて、此の人健にして爾等の前に立てるなり。
11 彼は乃爾等、工師たる者が、棄てし所の石、屋隅の首石と成りたる者なり、
12 此の外別に救を得しむる者なし。蓋天下には、人に與へられたる他の名の、我等が由りて以て救を得べき者あらず。
13 彼等はペトル及びイオアンの毅然たるを見、其無學にして賤しき者なるを察して、奇めり、又其曾てイイススと偕に在りしを知れり。
14 然れども愈されたる人の之と偕に立てるを見て、駁す可き辞なかりき。
15 乃之に會所の外に出づるを命じて後、相議して曰へり、
16 此の人人に何を爲すべきか、蓋彼等に由りて、著しき奇蹟の行はれしことは、凡そイエルサリムに居る者に顯なり、我等之を無と言ふ能はず。
17 然れども此の事の尚広く民間に傳はらざらん爲に、彼等を恐喝して、復其名を以て何人にも語らざらんことを戒むべし。
18 乃彼等を召して、更にイイススの名を以て言ふことなく、教ふることなきを命じたり。
19 然れどもペトル及びイオアン彼等に答へて曰へり、神に聽くよりも愈りて、爾等に聽くは、神の前に在りて義なるか、自ら判斷せよ。
20 蓋我等は見し所聞きし所を語らざるを得ず。
21 彼等は之を罰する所以を得ずして、恐喝を加へて、之を釋せり、民の故を以てなり、衆皆行はれし事に由りて神を讚榮したればなり。
22 蓋奇蹟に由りて、愈ゆるを得たる人は四十餘歳なり。
23 使徒釋されて其友に來り、凡そ司祭諸長と長老等との之に言ひし事を告げたり。
24 彼等之を聞きて心を一にし聲を揚げて、神に呼びて曰へり、主宰よ、爾は天地海及び其中に萬物を造りし神なり、
25 爾は聖神゜を以て、我が祖、爾の僕ダワィドの口に藉りて曰へり、異邦何爲れぞ騒ぎ諸民何爲れぞ徒に謀る、
26 地の諸王興り、諸侯相集りて、主を攻め、其ハリストスを攻むと。
27 蓋誠にイロド及びポンティイ ピラトは、異邦人及びイズライリ民と共に、此の城に集りて、爾の聖なる子イイスス、爾に膏つけられし者を攻めたり、
28 爾の手及び爾の旨の豫め定めし事を行はん爲なり。
29 主よ、今も彼等の恐喝を鑒みて、爾の諸僕に、毅然として、爾の言を言はしめ、
30 爾の手を伸べて、爾の聖なる子イイススの名を以て醫を施し、休徴奇蹟を行ひ給へ。
31 彼等の祈禱竟りて後、其集れる處震ひ動き、皆聖神゜に滿てられて、侃侃として神の言を言へり。
32 信じたる衆民は心を一にして、靈を一にして、一人も其所有を己の物と言はずして、共に諸物ぶつのを公用せり。
33 使徒は大なる能を以て、主イイスス ハリストスの復活を證せり、大なる恩寵は彼等衆人に在り。
34 彼等の中に一人も乏しき者なかりき、蓋凡そ地或は家を有てる者は之を售り、其售りたる価を攜へて、
35 使徒の足下に置き、而して各人に、其需むる所に隨ひて、之を與へられたり。
36 斯くレワィの族にして、キプルに生れしイオシャ、使徒にワルナワ、譯すれば、勧慰の子と稱へられし者は、
37 田疇有りて、之を售り、其金を攜へて、使徒の足下に置けり。
次章