2023年01月24日 13:55
第11章 (聖使徒行実)
1 イウデヤに在る使徒及び兄弟は、異邦人等も神の言を受けたりと聞けり。
2 ペトルがイエルサリムに上りし時、割禮を受けたる者彼を詰りて
3 曰へり、爾は割禮を受けざる者の中に入りて、彼等と偕に食へり。
4 ペトル始より次第に彼等に述べて曰へり、
5 我イオッピヤの邑に祈禱せし時、神゜象外に遊びて、異象を見たり、一の器、大なる布の如く、四角を縋りて、天より下り、我が前に至れり。
6 我目を注ぎて、其中を視るに、地の四足の牲畜、野獣、昆蟲、及び天空の鳥あるを見たり。
7 且我に言ふ聲を聞けり、ペトルよ、起ちて、屠りて食へ。
8 我曰へり、主よ、然らず、蓋穢らはしき物、或は潔からざる者は、未だ曾て我が口に入らざりき。
9 聲再天より我に答へて曰へり、神の潔めたる者は、爾穢らはしと爲す勿れ。
10 三次是くの如くして、皆復天に上げられたり。
11 適ケサリヤより我に遣されし三人、我が在りし家の前に立てり。
12 聖神゜我に、毫も疑はずして、彼等と偕に往くべき事を言へり。此の六人の兄弟も我と偕に往きて、我等其人の家に入りたり。
13 彼我等に告げて云へり、曾て天使の其家に立ちて、彼に言へるを見たり、曰く、人をイオッピヤに遣して、シモン、稱してペトルと云ふ者を呼べ、
14 彼は爾及び爾の全家に救を得しむべき言を爾に語らんと。
15 我が語り始めし時、聖神゜彼等に降れり、始めに我等に降りしが如し。
16 其時我主の言ひし言を憶ひ起せり、云く、イオアンは水を以て洗を授けたり、爾等は聖神゜に由りて洗を受けんと。
17 故に若し神は、我等主イイスス ハリストスを信じたる者に與へし所に等しき賜を、彼等にも與へしならば、我何人ぞ、能く神を阻まん。
18 彼等之を聞きて、對ふる所なく、神を讚榮して曰へり、然らば神は異邦人も悔改を與へて、生命を得しむるなり。
19 ステファンの時に起りし窘逐に因りて散じたる者は、往きて、フィニキヤ、キプル、アンティオヒヤにまで至りしが、イウデヤ人の外何人にも言を傳へざりき。
20 然れども彼等の中にキプル及びキリネヤの人人あり、アンティオヒヤに入りて、主イイススを福音して、エルリン人に傳へたり。
21 主の手彼等と偕に在り、多數の人信じて主に歸せり。
22 此の事の聲聞イエルサリムに在る教會の耳に及びたれば、ワルナワを遣して、アンティオヒヤに至らしめたり。
23 彼來りて、神の恩寵を見て喜び、且衆人に、心を堅くして、主に從ふことを勧めたり。
24 蓋彼は善人にして、聖神゜と信とに滿てられたる者なり。是に於て許多の民は主に就けり。
25 其後ワルナワはタルスに往きて、サウルを尋ね、之に遇ひて、アンティオヒヤに攜へ至れり。
26 彼等一年間教會に集りて、許多の民を訓へたり。門徒がハリスティアニンと稱せらるること、アンティオヒヤより始まれり。
27 當日預言者數人イエルサリムよりアンティオヒヤに下れり。
28 其一人、アガフと名づくる者、起ちて、聖神゜に藉りて、普天下に大なる飢饉あらんとするを示せり、クラウディイ ケサリの時に果して之ありき。
29 其時門徒各其有てる所に隨ひて、イウデヤに居る兄弟に扶助を餽らんことを定めたり。
30 遂に之を行ひて、ワルナワ及びサウルの手に託して、長老等に寄せたり。
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