2023年01月25日 13:54
第14章 (聖使徒行実)
1 彼等イコニヤに於て共にイウデヤの會堂に入り、教を宣べて、イウデヤ人及びエルリン人の大衆を信ぜしむるに至れり。
2 然れども信ぜざるイウデヤ人は異邦人の心を動かして、兄弟を惡ましめたり。
3 彼等は日久しく彼處に留り、主に賴りて毅然として教を傳へ、主は其恩寵の言を證して、彼等の手を以て休徴と奇蹟とを行へり。
4 時に邑の民分れて、或者はイウデヤ人に與し、或者は使徒に與せり。
5 異邦人及びイウデヤ人は、其有司等と與に、彼等を辱しめ、石を以て擊たんとして擁し集る時、
6 彼等此を知りて、リカヲニヤの邑リストラ デルワィヤ及び其近傍に逃れ、
7 彼處に於て福音を傳へたり。
8 リストラに一の足弱き者坐せり、母の胎より跛にして、未だ曾て歩まざりき。
9 彼はパワェルの語るを聽きしが、パワェル彼に目を注ぎて、其愈さるべき信あるを見て、
10 大なる聲を以て曰へり、主イイスス ハリストスの名に因りて、爾に言ふ、爾の足にて正しく立て、彼忽躍り起ちて歩めり。
11 民はパワェルの行ひし事を見て、聲を揚げて、リカヲニヤの言を以て曰へり、諸神は人の形に藉りて、我等は降れり。
12 乃ワルナワを稱してディイと爲し、パワェルをエルミイと爲せり、彼言に長じたればなり。
13 其邑の前に在るディイの廟の祭司は、牛を牽き、花冠を攜へて、門に至り、民と偕に彼等に祭を獻げんと欲せり。
14 使徒ワルナワ及びパワェル之を聞きて、己の衣を裂き、躍りて民の中に入り、呼びて曰へり、
15 人人よ、何ぞ此を行ふ、我等も爾等と同情の人なり、今爾等に福音するは、爾等をして此の虛しき者より活ける神に轉ぜしめん爲なり、卽天地海及び其中の萬物を造りし神、
16 過ぎし世には、諸民に各其道を行くを容したれども、
17 己を證するを已めずして、諸恩を施し、我等に天より雨を降し、豊作の時を與へ、糧と樂とを以て我等の心を盈たしめし神なり。
18 此を言ひて、漸く民を止め、彼等に祭を獻げずして、各其家に歸らしめたり。彼等此に在りて教を傳へたり。
19 適イウデヤの數人アンティオヒヤ及びイコニヤより來たり、使徒が毅然として教を宣ぶる時、民に彼等を離れんことを勧めて曰へり、彼等が言ふ所は一も實なし、皆誑なり、乃民を唆して、石を以てパワェルを擊たしめ、其已に死せりと意ひて、邑の外に曳き出せり。
20 然れども門徒の彼を環りて立てる時、彼起きて、邑に入り、明日ワルナワと偕にデルワィヤに往けり。
21 二使徒是の邑に福音を傳へて、多くの門徒を獲て、復リストラ、イコニヤ、アンティオヒヤに返りて、
22 門徒の靈を堅め、恒に信に居らんことを勧め、且我等が多くの艱難を歴て、神の國に入るべきことを教へたり。
23 又彼等の爲に教會毎に長老を按手し、禁食祈禱して、彼等を其信ぜし所の主に託せり。
24 旣にピシディヤを經て、パムフィリヤに來り、
25 主の言をペルギヤに傳へて、アタリヤに下り、
26 彼處より海に航して、アンティオヒヤに往けり、卽彼等が、今終へし職を行はん爲に、曾て神の恩寵に託せられし所なり。
27 至るに及び、教會を集めて、凡そ神が彼等を用つて行ひし事、若何にして異邦人の爲に信の門を開きし事を告げたり。
28 後彼等は門徒と偕に彼處に久しく居たり。
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