2023年01月25日 14:21
第17章 (聖使徒行実)
1 彼等アムフィポリ及びアポルロニヤを經て、フェサロニカに來れり、此處にイウデヤ人の會堂あり。
2 パワェル常の如く彼等の中に入りて、三たびの安息日に、聖書に本づきて、彼等と弁論して、
3 ハリストスは苦を受け、死より復活すべく、又我が爾等に傳ふる所のイイススは、卽ハリストスなりと解きて、之を證せり。
4 彼等の中の數人信じて、パワェル及びシラに從へり、又敬虔なるエルリン人甚多くあり、貴き婦も少からざりき。
5 然れども信ぜざるイウデヤ人は妬みて、市の匪類を集めて、群を成し、邑を乱し、イアソンの家に逼りて、彼等を民の前に曳き出さんと欲したれども、
6 彼等に遇はずして、イアソン及び數兄弟を邑宰に曳きて呼べり、彼の天下を乱しし者は此にも來れり、
7 イアソン彼等を接けたり、彼等皆ケサリの命に違ひて、他の王イイススありと言ふ。
8 乃之を聞く民及び邑宰の心を動かせり。
9 然れども彼等はイアソン及び其餘の者より保證を取りて、之を釋せり。
10 兄弟直に夜に乗じて、パワェル及びシラをワェリヤに往かしめたり。彼等彼處に來りて、イウデヤの會堂に入れり。
11 此の處の人人はフェサロニカに在る者より善良にして、熱切に言を受け、日々聖書に就きて、是れ果して此くの如きかと究めたり。
12 故に其中の多くの者は信ぜり又エルリンの貴き婦及び男も少からざりき。
13 然れどもフェサロニカのイウデヤ人は神の言の、パワェルに由りて、ワェリヤにも傳へられしを知りて、彼處にも來り、民を動かして、此を擾せり。
14 其時兄弟直にパワェルを海の方に適かしめたり、シラ及びティモフェイは尚彼處に留れり。
15 パワェルを送りし者は彼を攜へてアフィニに至り、而して其シラ及びティモフェイに、速に彼に來るべし、との命を受けて返れり。
16 パワェルはアフィニに在りて、彼等を待てる時、此の邑に偶像に滿ちたるを見て、其心傷みたり。
17 故に會堂に於て、イウデヤ人及び敬虔の者と、又毎日市に於て、遇ふ所の者と弁論せり。
18 エピクリアン及びストイクの理學者數人彼と爭論せり。或者曰へり、此の嘐啁者は何を言はんと欲するか。他の者曰へり、彼は他邦の鬼神を傳ふる者の如し、蓋パワェルは彼等にイイスス及び復活を福音せり。
19 遂に彼を取り、アレヲパグに引き至りて曰へり、爾が語る所の新しき教の何なるを、我等知るを得べきか、
20 蓋爾は奇怪の事を我が耳に入る、故に我等は其何事なるかを知らんと欲す。
21 蓋凡のアフィニ人及び彼處に居る旅人は、他の務に遑あらずして、惟新しき事を言ひ、或は聽くのみ。
22 パワェルアレオパグの中に立ちて曰へり、アフィニ人よ、我觀るに、概爾等は甚敬虔なるに似たり。
23 蓋我行きて、爾等の禮拜する所を巡り視る時、一の壇にも遇へり、書して、識らざる神に獻ずと曰ふ。斯の爾等が識らずして敬ふ者は、我之を爾等に傳ふ。
24 世界及び其中に萬有を造りし神は、天地の主にして、手にて造られたる殿に居らず、
25 又需むる所ある者の如くに、人の手にて奉事を要せず、自ら生命と呼吸と萬物とも以て衆に與ふ。
26 彼は一の血より悉くの人類を造りて、之を地の全面に居らしめ、其豫期の時と其住居の界とを定めたり、
27 彼等が神を尋ねん爲なり、或は彼を揣り、彼を得ん。然れども彼は我等各人に遠からざるなり、
28 蓋我等は彼に賴りて生き、且動き、且存す、爾等の詩人も言へるあるが如し、云く、我等は其族なりと。
29 旣に我等神の族たらば、神體を以て金、若くは銀、若くは石、人の工と機巧とに由りて琢みたる者に似たりと意ふ可からず。
30 故に神は蒙昧の時を問はずして、今は悉くの人に、何處に於ても、悔改するを命ず。
3
1 蓋彼已に日を定め、其立てし所の人を以て、義に由りて全地を審判せん。衆に之を信ずべき證を與へて、彼を死より復活せしめたり。
32 死者の復活の事を聞きて、或者は嘲り、他の者は曰へり、此の事復爾に聽かん。
33 是に於てパワェル彼等の中より出でたり。
34 然れども或者は彼に附きて信ぜり、其中にディオニシイアレヲパギト及びダマリと名づくる婦あり、又他の者は彼等と偕にせり。
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