2023年01月27日 13:35
第1章 (ペトル前公書)
1 ペトル、イイスス ハリストスの使徒たる者は、ポント、ガラティヤ、カッパドキヤ、アシヤ、及びワィファニヤに散じ處る旅客、
2 神父の豫知に依りて、神の成聖を以て、順服の爲、及びイイスス ハリストスの血の灑を受くる爲に選ばれたる者に書を達す。願はくは恩寵と平安とは爾等に増さんことを。
3 祝讚せらるる哉神、我が主イイスス ハリストスの父、彼は其大なる慈憐に依りて、イイスス ハリストスの死よりの復活を以て、我等を活くる望、
4 朽ちずけがれず、衰へざる嗣業の爲に復生せしめたり。是の嗣業は爾等の爲に天に藏められたり、
5 蓋爾等は末の時に顯れんとする救の爲に、神の能力を以て、信に由りて、護らるるなり。
6 爾等此に因りて喜べ、今之を要せば、種々の試誘に因りて、暫く憂ふることありと雖、
7 是れ特に爾等の試みられたる信は、火に試みらるとも滅ぶべき黄金よりも至と貴くなりて、イイスス ハリストスの顯現の時に稱讚尊貴光榮を得ん爲なり。
8 爾等イイスス ハリストスを見ずして愛し、今彼を見ざれども、信じて、言ひ難く、且光榮なる喜を以て喜ぶ、
9 爾等の信の目的、卽靈の救を穫ればなり。
10 此の救は、爾等が蒙る恩寵を預言せし諸預言者、之を探り、且尋ねたり、
11 彼等は其衷に在りしハリストスの神゜が、豫めハリストスの苦及び之に從ふ光榮の事を證して、何の時又如何なる時を示ししかを究めたり、
12 彼等默示に因りて、此等の事は己の爲ならずして、我等の爲なるを知れり、卽今天より遣されし聖神゜に藉りて福音せし者が爾等に傳へし事、天使等も窺はんと欲する所の事なり。
13 故に爾等の心の腰を束ね、儆醒して、イイスス ハリストスの顯現の時に、爾等に賜ふ所の恩寵を全く望め。
14 孝順なる子の如くにして、先の蒙昧の時の慾に效ならふ勿れ、
15 卽爾等が召したる聖なる者に效ならひて、己も亦凡そ行ふ所に聖なれ。
16 蓋錄して云へるあり、我聖なるに因りて、爾等も聖なれと。
17 爾等も貌を以て人を取らずして、各人を其行に由りて審判する者を父と名づけば、惕れて、世に寄る時を度れ、
18 蓋知る、爾等が先祖より傳はりたる空しき度生より、贖はれしは、壞るべき金銀を以てせしに非ず、
19 乃疵なく玷れなき羔の如きハリストス、
20 創世の先より豫定せられ、末の時に及びて爾等の爲に現れし者の貴き血を以てせしなり、
21 爾等彼に由りて神を信ぜり、蓋神は彼を死より復活せしめ、彼に光榮を賜へり、爾等が神に於ける信と望とを有たん爲なり。
22 爾等聖神゜に由りて、眞實に循ふを以て、己の靈を兄弟を愛する僞なき愛の爲に淨めて、潔き心を以て篤く相愛せよ、
23 蓋爾等は朽つる種よりするに非ず、乃朽ちざる者より、生きて世世に存する神の言に由りて重生せられたり。
24 蓋凡の肉體は草の如く、凡の人の光榮は草の花の如し、草枯れて、其花は落ちたり、
25 然れども主の言は世世に存す、此れ卽爾等に福音せられし言なり。
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