2023年01月27日 13:42
第2章 (ペトル前公書)
1 故に爾等凡の惡心、凡の詭譎、僞善、嫉妬、凡の誹謗を去りて、
2 甫めて生れし赤子の如く、純良なる靈智の乳を慕へ、之に由りて、救に長ぜん爲なり、
3 蓋爾等は主の仁慈なるを味ひたり。
4 爾等は彼、卽人に棄てられ、神に選ばれたる、貴き活ける石に就きて、
5 自も亦活ける石の如く、己を以て属神゜の堂、聖なる司祭班を建てよ、イイスス ハリストスに由りて、神の悅び納るる所の属神゜の祭を獻げん爲なり。
6 蓋聖書に錄して云く、視よ、我選ばれたる貴き屋隅の石をシオンに置く、彼を信ずる者は羞を得ざらんと。
7 故に彼は爾等信ずる者の爲には寶、信ぜざる者の爲には工師が棄てたる石にして、屋隅の首石と爲りし者、躓の石、礙の磐なり、
8彼等の言に從はずして、之に躓く、彼等亦此が爲に定められたり。
9 然れども爾等は選ばれたる族、王たる司祭班、聖なる人民、神の業となりし民なり、是れ爾等を幽暗より其奇妙なる光に召したる者の盛徳を彰さん爲なり、
10 爾等素民に非ざりしが、今は神の民なり、素矜恤を蒙らざりしが、今は矜恤を蒙りし者なり。
11 至愛の者よ、我爾等を旅客及び寄寓者として求む、靈を攻むる肉慾を防ぎて、
12 異邦人の中に善き行を爲せ、彼等今爾等を謗りて、惡者と云へる者が、爾等の善き所爲を見て、眷顧の日に於て神を讚榮せん爲なり。
13 故に爾等、主の爲に、凡の人の定制に服へ、或は王に於てせよ、其上に在るを以てなり、
14 或は有司に於てせよ、其彼より惡を行ふ者を罰し、善を行ふ者を賞する爲に遣さるるを以てなり。
15 蓋我等が善を行ひて、愚人の無知の言を止むるは、神の旨なり、
16 我等自由の者なりと雖、惡を蔽はん爲に自由を用ゐる者に非ず、神の僕なるが故なり。
17 衆人を敬ひ、諸兄弟を愛し、神を畏れ、王を尊め。
18 僕よ、畏を以て主人に服へ、惟善良の者、柔和の者に於けるのみならず、苛刻の者にも然すべし。
19 蓋若し人無法の苦を受け、神を念ひて憂に堪へば、此れ神の嘉する所なり。
20 若し爾等罪を犯して、撻たれて、之を忍ばば、何の誉かあらん、然れども若し善を行ひて、苦を受けて忍ばば、此れ神の嘉する所なり。
21 爾等の召されたるは此が爲なり、蓋ハリストスも我等の爲に苦を受けて、我等に式を遺せり、我等が其跡に隨はん爲なり。
22 彼は罪を行はず、其口に詭譎なかりき。
23 彼は詬られて詬を反さず、苦を受けて、喝さざりき、乃之を義なる審判者に託せり。
24 彼は我等の罪を自ら己の身に任ひて、木の上に擧げたり、我等が罪を絶ちて、義に生きん爲なり、彼の傷に由りて爾等醫されたり。
25 蓋爾等は素(牧者)なき迷へる羊の如くなりしが、今は爾等の靈の牧者及び監督に歸れり。
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