2023年01月27日 13:43
第3章 (ペトル前公書)
1 婦よ、爾等も亦其夫に順へ、或は彼等の中に言に服せざる者あらば、言に由らずして、其婦の行に由りて獲られん爲なり、
2 卽爾等の貞潔にして敬虔なる行を見るに因りてなり。
3 爾等の飾は、髪を辮み、金を著け、或は妝ふ事の如き外部の者なるべからず、
4 乃心の内の隱れたる人、溫柔恬静なる神の朽ちざる華美を妝ふ者なるべし、此れ神の前に貴し、
5 蓋昔神を賴みし聖なる婦も、斯く己を飾りて、其夫に順へり、
6 サルラがアウラアムに順ひて、之を主と稱へしが如し、爾等若し善を行ひて、何の難き事をも畏れずば、彼の子たるなり。
7 夫よ、爾等も亦智慧を以て其婦と偕に居り、之を遇ふこと弱き器の如く、之を敬ふこと恩寵の生命を共に嗣ぐ者の如くせよ、爾等の祈禱に阻礙なからん爲なり。
8 之を要するに、爾等皆意を同じくし、體恤を爲し、兄弟を愛し、憐憫を施し、懇切を盡し、謙遜を護れ。
9 惡を以て惡に、或は詬を以て詬に報ゆる勿れ、反りて祝福せよ、爾等祝福を嗣がん爲に召されたるを知ればなり。
10 蓋生命を愛し、佳き日を見んと欲する者は、其舌を惡より、其口を詭譎の言より止むべし、
11 惡を避けて善を行ひ、和平を求めて之を追ふべし。
12 蓋主の目は義人を顧み、其耳は彼等の祈を聽く、然れども主の面は惡を爲す者に對ひて、彼等を地より滅さんとす。
13 爾等若し務めて善を行はば、誰か爾等を害せん。
14 然れども若し義の爲に苦を受くとも、爾等福なり。彼等の威嚇を懼るる勿れ、亦憂ふる勿れ。
15 主神を爾等の心に聖なりとせよ、凡そ爾等の望の由縁を問ふ者に、溫柔と敬虔とを以て答へんことを常に備へよ。
16 且玷なき良心を有て、爾等を誣ひて、惡者と爲す所以に由りて、爾等のハリストスに於ける善き行を謗る者の辱められん爲なり。
17 若し神の旨に適はば、善き行の爲に苦を受くること、惡しき行の爲にするより愈れり。
18 蓋ハリストスも一次我等の罪の爲に、義者にして不義者に代りて、苦を受けたり、我等を引きて神に詣らん爲なり、彼は身にて殺され、神゜にて生かされ、
19 此の神゜を以て下りて、獄に在る諸神゜に宣傳せり、
20 卽昔ノイの日、方舟の造らるる際、神が恒忍を以て待ちたる時に於て順はざりし諸神゜、蓋其方舟には少數の者、卽八人のみ水より救はれたり。
21 此に象れる洗禮、卽肉體の穢を除くに非ずして、玷なき良心を神に求むる事は、今我等をも救ふ、イイスス ハリストスの復活に由りてなり、
22 彼は天に升りて、神の右に在り、諸天使と權柄と能力とは彼に服せり。
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