2023年01月27日 13:57
第1章 (ペトル後公書)
1 シモン ペトル、イイスス ハリストスの僕及び使徒たる者は、我等の神及び救主イイスス ハリストスの義に賴りて、我等と共に同じく貴き信を獲たる者に書を達す。
2 願はくは恩寵と平安とは、神及びイイスス ハリストス我等の主を識るに於て、爾等に増さんことを。
3 彼の神聖なる能力より、我等に凡ぶ生命及び敬虔に要する事は賜はりたり、光榮と盛徳とを以て我等を召しし者を識るに由りてなり、
4 蓋此の光榮盛徳に依りて、我等に貴くして大なる許約は賜はりたり、我等が此を以て世に在る慾の敗壞れを脱れて、神の性に與る者と爲らん爲なり。
5 是の故に爾等一切の勉励を用ゐて、爾等の信に徳を加へ、徳に知識を加へ、
6 知識に節制を加へ、節制に忍耐を加へ、忍耐に敬虔を加へ、
7 敬虔に兄弟の親睦を加へ、兄弟の親睦に愛を加へよ。
8 蓋若し此等爾等の中に在りて、彌いよいよ益さば、爾等が我等の主イイスス ハリストスを識るに於て進まざるなく果を結ばざるなきを致さん。
9 此等の無き者は、盲にして、目を蔽ひ、其舊き罪より潔まりし事を忘れたり。
10 故に兄弟よ、益勉励して、爾等の召されし事、及び選ばれし事を堅固にせよ、此等を行ひて、永く躓かざらん。
11 蓋此くの若くば、爾等に我等の主救主イイスス ハリストスの永遠の國に入る恩恵は裕に加へられん。
12 故に爾等此を知り、且旣に受けたる眞實に堅められたれども、我は恒に爾等に此等の事を記念せしむるを息めざらん。
13 我は此の幕に在る時、此の記念を以て爾等を励ますは、當然の事なりと思へり、
14 蓋我は我が幕を脱せんことの近きを知る、我が主イイスス ハリストスの我に示ししが如し。
15 然れども我は我が去らん後にも爾等の常に此等を記念することを勉めん。
16 蓋我等は、巧なる虛説に從ひて、爾等に我が主イイスス ハリストスの能力と降臨とを告げしに非ず、乃其威光を親しく見たる者として然せり。
17 蓋至大なる光榮より聲の彼に來りて、此は我の至愛の子、我が喜べる者なりと曰ひし時、彼は神父より尊貴と光榮とを受けたり。
18 天より來りし此の聲は、我等彼と偕に聖なる山に在る時、之を聞けり。
19 且我等に更に確なる預言者の言あり、爾等が之を暗き處に耀く燈ともしびとして、天明け、晨星の爾等の心に出づるに至るまで顧みるは善し。
20 首として知るべし、凡の聖書の預言の己に由りて解く能はざるを、
21 蓋預言は未だ嘗て人の旨に由りて出でしはあらず、乃神の諸聖人が聖神゜に感ぜられて之を言ひしなり。
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