2023年01月27日 13:59
第2章 (ペトル後公書)
1 民の中には僞の預言者も有りき、斯く爾等の中にも僞の師は起らん、彼等は淪亡の異端を入れ、彼等を贖ひし主宰に背きて、自ら速なる淪亡を取らん。
2 多くの者は彼等の放蕩に從はん、彼等に因りて眞實の道は謗讟を受けん。
3 彼等は貪婪に由りて、飾言を以て爾等を餌ばせん、彼等の審判は昔より定まりて遅はらず、彼等の淪亡は寐ねず。
4 蓋神は罪を犯しし諸天使を容さず、乃地獄の幽暗の縲絏に縛り、之を刑の爲に護らしめて、審判を待たしめ、
5 又古世を容さず、乃不虔者の世に洪水を施して、惟義を傳へしノイの一家八人を救ひ、
6 又ソドム ゴモラの諸邑を滅に定め、之を灰に變じて、後來の不虔者の鑒と爲し、
7 惟義なるロト、無道の者の淫乱の行に倦みたる者を救へり、
8 蓋此の義人は彼等の中に居り、其不法の行を見且聞きて、日々其義なる靈を傷めたり。
9 然らば則主は敬虔の者を誘惑より救ひ、不義の者を刑の爲に護りて、審判の日を待たしむるを知る、
10 特に肉に循ひて汚れたる慾を行ひ、首長を藐んずる者に於て然りと爲す。彼等は狂妄にして我意を張り、尊者を謗るを畏れず、
11 然るに天使等は權威と能力とを以て彼等に勝ると雖、主の前に之を謗りて罪するを爲さず。
12 彼等は本性の無知なる獣、執はれて滅さるる爲に生れたる者の如く、其知らざる所を謗りて、己の敗壞を以て滅されん。
13 彼等は不義の報を受けん、蓋彼等日々宴樂を以て歓と爲し、旣に自ら汚し、又爾等を汚す者にして、爾等と共に宴して、其詐騙を以て樂と爲す。
14 彼等は目は色慾を充て、罪を犯して已めず、彼等は堅からざる靈を惑はす、其心は貪に慣れたり、是れ詛の子なり、
15 彼等は正しき道を離れ、迷ひてワォソルの子ワラアムの蹤に從へり、卽不義の利を愛して、
16 己の不法の爲に責められし者なり。言なき牝驢は人の聲を出して、預言者の狂へるを止めたり。
17 彼等は水なき泉なり、暴風に逐はるる雲及び霧なり、永遠の幽暗は彼等の爲に備へられたり。
18 蓋彼等は誇りたる虛誕を語りて、迷へる者の中より僅に脱れたる者を肉慾と淫乱とに誘ふ。
19 之に自由を與へんと約すれども、自ら敗壞の奴隷たり、勝たるる者は勝つ者の奴隷たればなり。
20 蓋若し彼等我が主救主イイスス ハリストスを識るに因りて、世の汚を脱れ、復之に纏はれて勝たるる時は、彼等の爲に後の患は先より更に甚し。
21 彼等義の道を識りて、其傳へられし聖なる誡に反かんよりは、寧之を識らざるを美とす。
22 彼等は正に諺に云ふ所に應へり、犬は其吐きたる物に反り、豕ぶたは滌ひ潔められて復泥に臥す。
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