2023年01月27日 14:05
第3章 (イオアン第一公書)
1 觀よ、父は何等の愛を我等に賜ひて、我等に神の子と稱へられ、且爲るを得しめしぞ。世は我等を識らず、彼を識らざるが故なり。
2 至愛の者よ、我等今神の子たり、然れども若何にならんか、尚未だ顯れず。我等惟其顯れん時、彼に肖たる者と爲らんことを知る、蓋其眞の状に於て彼を見ん。
3 凡そ彼に於ける此の望を懷く者は己を潔くす、彼の潔きが如し。
4 凡そ罪を行ふ者は不法を行ふなり、罪とは不法なり。
5 爾等は彼の顯れしは、我等の罪を負はん爲にして、彼には罪なきを知る。
6 凡そ彼に居る者は罪を犯さず、凡そ罪を犯す者は未だ彼を見ず、未だ彼を識らざるなり。
7 小子よ、人に惑はさるる勿れ。義を行ふ者は義なり、彼の義なるが如し。
8 罪を行ふ者は惡魔に由る、蓋惡魔は始より罪を犯せるなり。神の子の顯れしは、特に惡魔の工を毀たん爲なり。
9 凡そ神より生れし者は罪を行はず、蓋其種は彼の衷に存す、彼の罪を犯す能はず、神より生れしが故なり。
10 神の子と惡魔の子とは斯く知らる、凡そ義を行はざる者は神よりするに非ず、其兄弟を愛せざる者も又然り。
11 蓋是れ爾等が始より聞きし所の命なり、乃我等相愛すべし、
12 カインの如くすべからず、彼は凶惡者に縁りて、己の弟を殺せり、何胡れぞ之を殺したる、己の行は惡しく、弟の行は義なりしに因りてなり。
13 我が兄弟よ、若し世爾等を憎まば、奇しむ勿れ。
14 我等は死より生命に移りしを知る、兄弟を愛すればなり、兄弟を愛せざる者は死に居るなり。
15 凡そ其兄弟を憎む者は殺人者なり、爾等は凡の殺人者は永遠の生命を其衷に有たざるを知る。
16 彼は我等の爲に其生命を捐てたり、此によりて我等は愛を知れり、我等も兄弟の爲に生命を捐つべし。
17 然るに此の世の產業を有つ者にして、其兄弟の乏しきを見て、彼の爲に己の心を閉さば、神の愛安んぞ其衷に在らん。
18 我が小子よ、我等愛するに言を以てし、或は舌を以てする勿く、乃行と實とを以てすべし。
19 此に由りて我等は眞實に属するを知り、且彼の前に我等の心を安んず。
20 蓋若し我が心我等を責めば、況や神をや、蓋神は我等の心より大にして、知らざる所なし。
21 至愛の者よ、若し我が心我等を責めずば、我等神の前に毅然たり、
22 且求むる所は彼より受く、蓋彼の誡を守り、彼の悅ぶ所を行ふ。
23 彼の誡は乃我等其子イイスス ハリストスの名を信じ、且彼が我等に誡めし如く相愛するに在り。
24 彼の誡を守る者は彼に居り、彼も亦此に居るなり。彼の我等に居るは、其我等に與へし所の神゜に由りて之を知る。
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