2023年01月28日 14:19
第9章 (黙示録)
1 第五の天使箛を吹きたるに、我星の天より地に隕ちたるを見たり、淵の抗の鑰は彼に與へられたり。
2 彼淵の抗を啓きしに、抗より烟上れり、洪なる爐の烟の如し、日と空気とは抗の烟に因りて暗くなれり。
3 烟より蝗は地に出でたり、之に權の與へられしこと、地の蠍にある權の如し。
4 又之に地の草と、凡の綠と、凡の樹とを傷ふ勿く、第其額に神の印なき人のみを傷ふべきを命ぜられたり。
5 且之に彼等を殺すこと勿く、第五月間苦しむるを許されたり、其苦は蠍が人を螫す時の苦の如し。
6 其日人々死を求むとも、之を得ざらん、死せんと望むとも、死は彼等より遁れん。
7 蝗の狀は戰に備へられたる馬の如し、其首に金に似たる冕の如き者あり、其面は人の面の如し。
8 其髪は女の髪の如く、其歯は獅の如し。
9 其甲は鉄の甲の如く、其翼の聲は、多くの馬が戰に馳せて、引く所の車の聲の如し。
10 其尾は蠍の如し、尾に蠆あり、其權は五月間人々を傷ふなり。
11 其王は淵の死者なり、彼の名は、エウレイの言にてはアワッドンと曰ひ、エルリンの言にてはアポルリヲンんと曰ふ。
12 一の禍は去りて、視よ、其後尚二の禍は來る。
13 第六の天使箛を吹きたるに、我は神の前に在る金の祭壇の、四の角より出づる一の聲が、
14 箛を持てる第六の天使に言ひしを聞けり、曰く、大なる河エフラトの邊に繋がれたる四の天使を釋け。
15 乃四の天使は釋かれたり、是れ一時、一日、一月、一年間に、人々の三分の一を殺さん爲に備へられたる者なり。
16 騎軍の數は二萬萬あり、我其數を聞けり。
17 是くの如く我異象に於て馬と之に乘れる者とを見たり、彼等の甲は火と紫石と、硫磺との如し、馬の首は獅の首の如く、口より火と、烟と、硫磺と出でたり。
18 斯くの三の者は、卽其口より出づる火と、烟と、硫磺とに由りて、人々の三分の一は殺されたり。
19 蓋馬の勢は其口及び其尾に在りき、其尾は蛇に似て、首あり、之を以て傷を爲せり。
20 其餘の人、此の災に殺されざりし者は、猶其手の所爲を悔改せずして、魔鬼及び金銀銅石木の偶像、見ること、聞くこと、行くこと能はざる者を拜するを止めざりき、
21 又其兇殺、其魔術、其淫行、其盗竊を悔改せざりき。
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