2023年02月02日 13:08
第1章 (ロマ書)
1 パワェル、イイスス ハリストスの僕、召されたる使徒、神の福音、
2 卽神が昔其諸預言者を以て、聖なる書に於て許約せし福音、
3 其子、卽肉體に依りては、ダワィドの裔より生れ、
4 聖徳の神゜に依りては、大能に於て、死より復活するを以て、神の子と顯れし者の福音、
5 我等に恩寵と使徒職とを受けしめ、其名に依りて萬民を、
6 亦其中に爾等、イイスス ハリストスに召されたる者を信に從はしむるを致す、我等の主イイスス ハリストスの福音を傳ふる爲に選ばれたる者は、
7 書して、凡そロマに在る聖徒、神の愛する所の召されたる者に達す。願はくは恩寵と平安とは神我等の父及び主イイスス ハリストスより爾等に賜はらんことを。
8 我は先づイイスス ハリストスに賴りて、爾等衆の爲に我が神に感謝す、爾等の信の全世界に傳へらるるを以てなり。
9 蓋我が其子の福音に於て我が神゜を以て事ふる所の神は我の證者なり、我斷えず爾等を念ひて、
10 恒に我が祈禱の中に、我が神の旨に依りて、何の時か善き途を得て、爾等に至らんことを求む。
11 蓋我切に爾等を見んことを望む、聊か属神゜の賜を爾等に頒ち與へて、爾等を堅固にせん爲なり、
12 是れ卽爾等の中に在りて、爾等と我と共同の信を以て、相慰めん爲なり。
13 兄弟よ、我爾等が知らざるを欲せず、我屡爾等に至らんことを志せり、他邦民の中に於けるが如く、爾等の中にも聊か果を獲ん爲なり、然れども今に至るまで阻まれたり。
14 我はエルリン人及び化外人、智者及び愚者に負ふ所あり。
15 故に我に於ては、我爾等ロマに在る者にも福音を傳へんことを願ふ。
16 蓋我はハリストスの福音を以て耻とせず、是れ凡の信ずる者、先づイウデヤ人、次にエルリン人に救を得しむる神の能なればなり。
17 其中に神の義は顯れて、信より信に進む、錄されしが如し、義人は信に由りて生きんと。
18 蓋神の怒は天より顯れて、不義を以て眞實を阻む人人の凡の不虔不義を攻む。
19 神の事に於て知るべき所は、彼等の爲に明なるに因る、神は彼等に之を顯しし故なり。
20 蓋彼の見る可からざる事、卽其永遠の能と神性とは、創世より以來、造られたる物を察するに由りて見るべし、故に彼等は推諉すべきなし。
21 然れども彼等は神を知りて、之を神として榮せず、亦感謝せざりき、乃其思念は虛しくなり、其無智の心は昧み、
22 自ら智者と稱へて、愚者と爲り、
23 朽ちざる神の光榮を變じて、朽つる人及び禽獣昆蟲に似たる像と爲せり。
24 此に縁りて神は彼等を其心の慾に於て汚穢に付して、彼等互に其身を辱しむるに至れり。
25 彼等は神の眞實に易へて、僞と爲し、受造物に敬拜奉事して、造物主に代へたり、卽世世に祝讚せらるる者なり、アミン。
26 此に縁りて神は彼等を耻づべき慾に付せり、蓋彼等の婦女は順性の用を變へて、逆性の用と爲し、
27 男は亦婦女の順性の用を棄てて、私欲相熾に、男は男と耻づべき事を作して、其迷謬に當れる報を己の身に受けたり。
28 彼等は神を其念に存するを願はざりしに由りて、神は彼等を戻れる心を懷きて、不當なる事を行ふに付せり。
29 彼等は凡の不義、淫行、惡慝、貪婪、讎怨を充て、嫉妬、兇殺、爭闘、詭譎、刻薄を盈つる者なり、
30 彼等は隱棘、讒謗する者、神を怨む者、狎れ侮る者、矜慢、驕傲なる者、惡事を図む者、父母に順はざる者、
31 頑愚なる者、約に背く者、無情なる者、怨みを構ふる者、憐なき者なり。
32 彼等は此くの如き事を行ふ者の死に當るべき、神の擬定を知ると雖、自ら之を行ふのみならず、之を行ふ者をも嘉す。
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