2023年02月02日 13:11
第3章 (ロマ書)
1 然らばイウデヤ人には何の長ずる所あるか、或は割禮は何の益あるか。
2 凡の事に於て長ずる所多し、首として神の言の彼等に託せられしに在り。
3 蓋或者信ぜざりしならば如何、彼等の不信は神の信を廢せんか。
4 非らず、神は眞實なり、凡の人は僞なり、錄されしが如し、云く、爾は爾の言に義にして、爾の審判に勝たんと。
5 若し我等の不義は神の義を彰さば、我等何をか言はん、神の怒を加ふる時に於て不義なるにあらずや、我人の情に循ひて言ふ。
6 非らず、若し然らば、神は如何にして世を審判せん。
7 蓋若し神の眞實は、我の僞を以て、愈其光榮を顯さば、我何ぞ猶罪人の如く審判せられん、
8 又我等は善を來さん爲に、惡を爲すは可ならんか、或者が我等を謗りて我等斯く言ふと語るが如し、彼等の定罪は宜なり。
9 然らば何ぞや、我等愈れるか、毫もなし、蓋我等已にイウデヤ人もエルリン人も皆罪に服するを證せり、
10 錄されしが如し、云く、義なる者一もあるなし、
11 悟る者なく、神を尋ぬる者なし、
12 皆迷ひ、均しく無用と爲れり、善を行ふ者なし、一も亦なし。
13 彼等の喉は啓けたる柩、其舌にて欺く、蝮の毒は其唇に在り。
14 其口は詛と苦とに滿ち、
15 其足は血を流す爲に疾し、
16 毀敗と菑害とは其途に在り、
17 彼等は和平の道を知らず、
18 其目の前に神を畏るる畏なしと。
19 我等知る、凡そ律法の言ふ所は律法の下に在る者に言ふなり、斯く凡の口は塞がり、世皆神の前に罪在るを致す。
20 蓋人一も、律法の行に由りて、彼の前に義とせらるるを得ず、律法に由りて罪の知らるるが故なり。
21 然れども今は律法の外に神の義は著れたり、律法及び諸預言者の證する所の者なり。
22 卽イイスス ハリストスを信ずるに由りて、悉くの信者に臨み、悉くの信者に在る神の義なり、区別なきに縁る。
23 蓋人皆罪を獲、神の光榮を失ひて、
24 義とせらるるを得るは、功なくして、彼の恩寵を以て、ハリストス イイススの贖に賴りてなり。
25 神は彼を立てて、其血を以て、信に由る挽回の祭と爲せり、是れ曾て神の寛容の時に行ひし諸罪の赦に於て彼の義を顯はさん爲、
26 今の時に彼の義を顯して、彼の義なることと、イイススを信ずる人を義と爲すこととを示さん爲なり。
27 然らば誇る所安にか在る、除かれたり、何の法を以てせしか、行の法か、非らず、乃信の法なり。
28 故に我等は、人の義とせらるるは、信に由りて、律法の行に由らざるを認む。
29 神は獨イウデヤ人の神なるか、亦異邦人の神なり。
30 蓋同一の神は、割禮を受けし者を信に由りて義と爲し、亦割禮を受けざる者を信を以て義と爲すなり。
31 然らば我等信を以て律法を廢するか、非らず、乃律法を堅立するなり。
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