2023年02月02日 13:14
第4章 (ロマ書)
1 然らば我等は、我が先祖アウラアムは肉體に由りて、何をか得たると言はん。
2 若しアウラアム行に由りて義とせられしならば、誇るべき所あり、然れども神の前には有るなし。
3 蓋聖書は何をか言ふ、アウラアムは神を信ぜり、此れ彼に歸して義となりたり。
4 行ふ者には、其賞を恩に由りて歸するに非ず、乃本分に由りてなり。
5 然れども行はずして、惟不虔者を義と爲す主を信ずる者には、其信を歸して義となる。
6 斯くダワィドも行に由らずして神より義の歸せらるる人の福を述べて云く、
7 不法を赦され、罪を蔽はるる人は福なり、
8 主が罪を歸せざる人は福なりと。
9 此の福は割禮を受くる者に在るか、抑割禮を受けざる者に在るか。蓋我等は信アウラアムに歸して義と爲れりと言ふ。
10 然らば如何に彼に歸せしか。割禮の後か、抑割禮の先か。割禮の後に在らず、乃割禮の先に在り。
11 割禮の號も、彼は未だ割禮を受けざる先に有ちし所の信に由る義の印として、之を受けたり、此れ彼が凡そ割禮を受けずして信ずる者の父となりて、彼等にも義の歸せん爲、
12 亦割禮を受けし者の父、卽第割禮を受けしのみならず、我が先祖アウラアムが未だ割禮を受けざる時に有ちし所の信の迹を履む者の父と爲らん爲なり。
13 蓋アウラアム若くは其裔に、世界の嗣と爲るべき許約の賜はりたるは、律法に由るに非ず、乃信の義に由るなり。
14 若し律法なき者嗣たらば、信は虛しく、許約も廢せられたるなり。
15 蓋律法は怒を致す、律法なき處には、犯すことも有るなし。
16 故に、信に由る、恩に由らん爲なり、是れ許約はアウラアムの悉くの子孫、第律法に由るのみならず、卽信に由る者にも堅固ならん爲なり、
17 蓋錄されしが如し、爾等を立てて多くの民の父と爲せりと、アウラアムは其信ぜし所の神、死せし者を生かし、無き者を有るが如く稱ふる主の前に於て、我等衆人の父たるなり。
18 彼は望なき時に於て、望を以て、多くの民の父と爲らんことを信ぜり、言ひし所の如し、爾の裔は是くの如くならんと。
19 彼は信衰へずして、齢約百歳なりと雖、己の身の已に死せし如きと、サルラの胎の死せし如きとを顧みず、
20 不信を以て神の許約を疑はず、乃信に堅固にして、光榮を神に歸し、
21 其約せし所、彼亦之を爲すを能すと、確に信じたり。
22 故に此は彼に歸して義と爲れり。
23 然れども彼に歸して義と爲れりと錄されしは、獨彼の爲のみならず、
24 亦我等の爲なり、我等、卽我が主イイスス ハリストスを死より復活せしめし神を信ずる者にも、歸して義と爲らん、
25 蓋主は我等の罪の爲に解され、我等の義とせられん爲に復活せり。
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