2023年02月02日 13:26
第7章 (ロマ書)
1 兄弟よ、蓋我律法を知る者に言ふ、爾等豈知らずや、律法は人に、其生ける時に於て、主たることを。
2 蓋夫ある婦は、律法に由りて、生ける夫に繫がれたり、夫死すれば、彼は夫の法より釋かる。
3 故に若し夫の生ける時他人に適かば、淫婦と稱へらる、然れども夫死すれば、彼は法より釋かれて、他人に適くと雖、淫婦たらず。
4 我が兄弟よ、爾等も是くの如く、ハリストスの身に由りて、律法の爲に死せり、他の者、卽死より復活せし者に適きて、我等神の爲に果を結ばん爲なり。
5 蓋我等が肉に在りし時、律法に由れる罪の慾は我等の肢體に動きて死の爲に果を結べり。
6 然れども今我等を繫ぎし律法の爲に死して、我等此より釋かれたり、文の舊きに由らず、神゜の新なるに由りて、神に事へん爲なり。
7 然らば何をか言はん、律法は罪なるか。非らず。乃律法に由らざれば、我罪を識らざりしならん。蓋律法慾する勿れと言はざれば、我慾を識らざりしならん。
8 然るに罪は誡の機に乗じて、我の中に諸の慾を生ぜり、蓋律法なければ罪は死せる者なり。
9 我昔律法なくして生きたり、然れども誡の來りし時、罪は生きて、
10 我は死せり、斯く生命の爲に與へられたる誡は我に死を施せり。
11 蓋罪は誡の機に乗じて、我を誘ひ、之を以て我を殺せり。
12 故に律法は聖なり、誡も亦聖なり、義なり、善なり。
13 然らば善なる者は我に死を致ししか。非らず、乃罪は罪と顯れん爲に、善なる者を以て我に死を致せり、誡に由りて罪の極めて罪なる者と爲らん爲なり。
14 蓋我等知る、律法は神゜に属し、我は肉に属して、罪の下に賣られたり。
15 夫れ我が行ふ所は我之を知らず。蓋我が欲する所は、我之を行はず、我が惡む所は、我之を行ふ。
16 若し我欲せざる所を行はば、乃律法の善なるを證す、
17 然らば之を行ふ者は旣に我に非ず、乃我の衷に居る罪なり。
18 蓋我知る、善は我の衷卽我が肉の衷に居らず、蓋善を欲することは我に在れども、之を行ふことを得ず。
19 我が欲する所の善は、之を行はず、我が欲せざる所の惡は之を行ふ。
20 若し我欲せざる所を行はば、之を行ふ者は、旣に我に非ず、乃我の衷に居る罪なり。
21 故に我此の法を觀る、我善を行はんと欲する時、惡は我の前に伏す。
22 蓋我は内なる人に由りて神の律法を悅ぶ、
23 然れども我が肢體の中に他の律法在りて、我が智慧の律法と戰ひ、我を我が肢體の中に在る罪は律法の虜と爲すを見る。
24 噫我は困苦の人なる哉、誰か我を此の死の體より救はん。
25 我が神に感謝す、イイスス ハリストス我等の主に因りてなり。是くの如く我自ら我が智慧を以て神の律法に服し、亦肉を以て罪の律法に服す。
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