2023年02月02日 13:32
第9章 (ロマ書)
1 我ハリストスに在りて眞を言ひて謊らず、我が良心は聖神゜に在りて我に之を證す、
2 我に大なる憂、我が心に已まざる痛あり、
3 蓋我は我が兄弟、肉に依る我が親族、卽イズライリ人の爲には、自らハリストスより絶たれんことをも或は願ふなり。
4 彼等に子たる事、光榮、盟約、律法、禮儀、許約は属し、
5 彼等に列祖は属し、ハリストスも肉體に由りて彼等より出でたり、卽萬有の上に在る神、世世に祝讚せらるる者なり、アミン。
6 然れども此れ神の言の廢れたりと云ふに非ず、蓋イズライリよりする者は盡くイズライリたるには非ず、
7 亦アウラアムの裔よりするに由りて盡く其子たるには非ず、乃言へるあり、イサアクに在りて爾の裔と稱へられんと。
8 是れ卽肉體の子は神の子たるに非ず、惟許約の子は裔とせらるるなり。
9 蓋許約の言は此くの如し、此の期に届りて我來らん、而してサルラに子あらんと。
10 第此のみならず、レワェツカも、我が祖イサアクに由りて同時に二子を懷みし時に、是くの如きことありき。
11 蓋二子未だ生れず、未だ善或は惡を爲さざりし時、選ぶ所に於て神の定が行に由らず、乃召す者に由りて成らん爲に、
12 彼に謂へることあり、長子は次子に服役せん、
13 錄されしが如し、我はイアコフを愛し、イサフを惡めりと。
14 然らば我等何をか言はん。神に不義あるか。非らず。
15 蓋彼はモイセイに謂ふ、我が矜む所の者は、之を矜み、我が恤む所の者は、之を恤まんと。
16 是くの如く望む者に由るに非ず、趨る者に由るに非ず、乃矜む所の神に由る。
17 蓋書はファラヲンに謂ふ、我が爾を興ししは、特に爾に由りて我が能を顯し、又我が名の全地に傳はらん爲なりと。
18 是くの如く其欲する所の者を矜み、其欲する所の者を頑にす。
19 然らば爾我に謂はん、彼は何ぞ尚咎むる、蓋孰か彼の旨に逆はん。
20 嗟人よ、爾は誰ぞ、敢て神に坑言するか、造られし者は之を造りし者に、爾は何ぞ我を斯く造りしと言はんか。
21 豈陶人が同じき塊を以て、一の器を貴き用の爲に、一の器を賤しき用の爲に造るは粘土の上に權あるに非ずや。
22 若し神は其怒を彰し、其能を示さんと欲して滅に備はりたる怒の器を、大なる恒忍を以て忍び、
23 又光榮に豫備せし矜恤の器、
24 卽我等、彼がイウデヤ人のみならず、異邦人の中よりも召しし者に、其光榮の豊なるを示さんとせば、何ぞや。
25 彼がオシヤの書にも言ふが如し、云く、我は我が民に非りし者を我が民と稱へ、愛せられざりし者を愛せらるる者と稱へん。
26 又曾て彼等に、爾等は我が民に非ずと言はれし處に、彼處には彼等活ける神の子と稱へられんと。
27 イサイヤもイズライリの事を呼びて曰く、イズライリの子の數は海の沙の如くなれども、惟遺餘は救はれん。
28 蓋主は事を終へ、義に遵ひて之を斷ぜん、斷じたる事を地に行はん。
29 又イサイヤの預言せしが如し、云く、若し主サワオフ我等に裔を遺さざりしならば、我等ソドムに似、ゴモラの如くなりしならんと。
30 然らば我等何をか言はん、義を追はざる異邦人は、義卽信に由る義を得たり。
31 然れども義の律法を追ふイズライリは、義の律法に及ばざりき。
32 何の故ぞ、信に由らずして、律法の行に由りたればなり、蓋躓の石に躓きたり、
33 錄されしが如し、云く、視よ、我躓の石、礙の盤をシオンに置く、凡そ彼を信ずる者は羞を得ざらんと。
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