2023年02月03日 14:22
第7章 (コリンフ前書)
1 爾等が書して我に達せし事に至りては、男は女に觸れざるを善しとす。
2 然れども淫行を免るる爲に、人各其妻を有ち、女各其夫を有つべし。
3 夫は當然の親愛を其妻に與へ、妻も其夫に然すべし。
4 妻は己の身に主たるに非ず、乃夫なり、同じく夫も又己の身に主たるに非ず、乃妻なり。
5 互に相避くる勿れ、惟共に意を合せて、齋と祈禱とを務むる爲に、暫時なるは可なり、後復相合ふべし、サタナが爾等の情の禁ぜざるに乗じて、爾等を誘はざらん爲なり。
6 然れども我が此を言ふは許すなり、命ずるに非ざるなり。
7 蓋我は人皆我の如く爲らんことを願ふ、然れども各其恩賜を神より受けたり、一は此の如く、一は彼の如し。
8 我未だ婚姻せざる者及び嫠婦に謂ふ、若し我の如くして居らば、彼等に善し。
9 然れども若し自ら制する能はずば、婚姻すべし、蓋婚姻するは慾の熾ゆるに愈れり。
10 已に婚姻せし者に命ず、是れ我に非ず、乃主の命なり、妻は夫に離るべからず、
11 若し離れたらば、嫁がずして居るべし、或は其夫と和ぐべし、夫も又其妻と別る可からず。
12 其餘の者には我之を言ふ、主に非ず、若し兄弟信ぜざる妻と有ち、妻彼と偕に居らんことを諾はば、之と別るべからず。
13 若し妻も信ぜざる夫を有ち、夫彼と偕に居らんことを諾はば、之と別る可からず。
14 蓋信ぜざる夫は信ずる妻に由りて聖にせられ、信ぜざる妻は信ずる夫に由りて聖にせらる。然らずば爾等の子女は潔からざらん、今は乃聖なり。
15 若し信ぜざる者離れんと欲せば、離る可し、兄弟或は姉妹は此くの如き事に於て繫がるるなし、神は和平の爲に我等を召したり。
16 妻よ、爾等焉ぞ夫を救はざるを知らん、或は爾夫よ、焉ぞ妻を救はざるを知らん。
17 惟神が各人に頒ちし所に循ひ、主が各人を召しし所に循ひて行ふべし。我等是くの如く諸教會に命ず。
18 人已に割禮を受けて召されしか、之を廢する勿れ、人未だ割禮を受けずして召されしか、之を受くる勿れ。
19 割禮は益なく、無割禮も益なし、唯神の誡を守らんのみ。
20 各其召されし時に在りし分に止るべし。
21 爾奴僕にして召されしか、慮と爲す勿れ、若し釋さるるを得とも、寧之に從へ。
22 蓋主に於て召されたる奴僕は、主の自主なる者なり、斯く又自主にして召されたる者は、ハリストスの奴僕なり。
23 爾等は価を以て買はれたり、人の奴僕と爲る勿れ。
24 兄弟よ、各其召されし時に在りし分に於て、神の前に止るべし。
25 童貞に至りては、我に主の命なし、然れども主に忠ならんことの矜恤を蒙れる者として、我勧諭を與ふ。
26 今の時の危難に因りて、我此を善しとす、人斯く居るは善し。
27 爾妻に繫がれしか、釋くことを求むる勿れ、妻の繫なきか、妻を求むる勿れ。
28 然れども爾娶るとも、罪を獲ず、亦處女は嫁ぐとも、罪を獲ざらん。惟此くの如き者は其身難に遭はん、我之を爾等の爲に惜む。
29 兄弟よ、我爾等に告ぐ、時は已にち蹙れり、故に妻ある者は、無きが如くし、
30 哭く者は、哭かざるが如くし、喜ぶ者は、喜ばざる如くし、買ふ者は、得ざるが如くし、
31 此の世を用ゐる者は、用ゐざるが如くすべし、蓋此の世の形状は逝ぐるなり。
32 我何等が慮る所なきを欲す。娶らざる者は、主に属する事、如何に主を悅ばしめんと慮り、
33 娶りたる者は、世に属する事、如何に妻を悅ばしめんと慮る。
34 嫁ぎたる者と處女とは別あり、嫁がざる者は、主に属する事、如何に主を悅ばしめて、身と神゜との聖なるを得んと慮り、嫁ぎたる者は、世に属する事、如何に夫を悅ばしめんと慮る。
35 我之を言ふは、爾等の益の爲にして、爾等に絆を置かんとするに非ず、乃爾等が宜しきに合ひ、紛擾なく、熱心に主に事へん爲なり。
36 若し人己の處女の爲に、其年已に實るに及びて、斯く居ることを宜しきに合はずと意はば、其欲する所を行ふべし、罪を獲ざらん、此くの如き者は嫁ぐべし。
37 然れども人若し其心を堅固にして、已むを得ざることなく、乃其志を爲すに權ありて、己の處女を守らんことを中心に決定せば、其行ふ所善し。
38 故に其處女を嫁がしむる者は行ふ所善し、嫁がしめざる者は、行ふ所更に善し。
39 妻は夫の生ける時に於て、法に繫がれたり、然れども夫死せば、自由に其欲する所の者に嫁ぐべし、但主に於てすべきのみ。
40 然れども彼等若し斯く止らば、更に福なり、此れ我の勧諭なり、意ふに、我も亦神の神゜を有てり。
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