2023年02月03日 14:28
第10章 (コリンフ前書)
1 兄弟よ、我爾等が知らざるを欲せず、我等の先祖は皆雲の下に在り、皆海を過れり、
2 皆モイセイに於て雲と海とに洗を受けたり、
3 皆同じき属神゜の食を食ひ、
4 皆同じき属神゜の飮料を飮めり、蓋属神゜の後來の磐より飮めり、此の磐は卽ハリストスなり。
5 然れども神は彼等の中の多くの者を悅びしに非ず、蓋彼等は野に於て滅されたり。
6 此等の事は我等の爲に鑒と爲れり、我等が惡を嗜む
こと彼等の嗜みし如くならざらん爲なり。
7 爾等偶像を拜すること、彼等の中の或者の如くする勿れ、彼等を指して錄せるが如し、云く、民は坐して食ひ飮み、起ちて舞へりと。
8 我等淫を行ふこと、彼等の中の或者が淫を行ひて、一日間に二萬三千人殞れしが如くす可からず。
9 ハリストスを試みること、彼等の中の或者が試みて、蛇に由りて滅びしが如くす可からず。
10 怨言を言ふこと、彼等の中の或者が怨言して、誅滅者に由りて滅びしが如くする勿れ。
11 此の諸事は彼等に遇ひて鑒と爲れり、此等の錄されしは、我等世の末に及びし者の警と爲らん爲なり。
12 故に自ら立てりと意ふ者は、愼むべし、恐らくは倒れん。
13 爾等が遇ひたる試誘は、人の常ならざるなし、神は信なり、爾等が誘はるること、爾等の能する所に過ぐるを容さず、試誘と偕に逃るべき法を備へん、爾等の堪ふるを得ん爲なり。
14 故に我が至愛の者よ、偶像を拜する事を避けよ。
15 我智者に於けるが如く爾等に言ふ、我が言ふ所を判斷せよ。
16 我等が祝福する所の祝杯は、ハリストスの血に與ることに非ずや、我等が擘く所の餅は、ハリストスの體に與ることに非ずや。
17 餅は一なるが故に、我等多く者も一の體を成す、蓋皆共に一の餅より領くるなり。
18 肉に属するイズライリを觀よ、祭物を食する者は、祭壇に與る者に非ずや。
19 然らば我何をか言ふ。偶像は有る者なりと言ふか、抑偶像に獻げし物は有る者なりと言ふか。
20 然らず。乃異邦人が祭を獻ぐるは、魔鬼に獻ぐる者にして、神に於てするに非ざるを言ふなり。然れども我は爾等が魔鬼に與る者と爲るを欲せず。
21 爾等は主の杯と魔鬼の杯とを兼ねて飮む能はず、主の席と魔鬼の席とに兼ねて與る能はず。
22 我等主の嫉を激せんか。豈我等は彼より强きか。
23 凡の物我に許されたり、然れども凡の物益あるには非ず。凡の物我に許されたり、然れども凡の物徳を建つるには非ず。
24 人皆己の益を求むる勿れ、乃各他人の益を求めよ。
25 凡そ市に售る者は、之を食ひて、問ふ勿れ、良心の爲の故なり、
26 蓋地と之に滿つる者とは皆主に属す。
27 若し不信者の中の人爾等を邀へ、爾等往かんと欲せば、凡そ爾等に進むる所の者は、之を食ひて、問ふ勿れ、良心の爲の故なり。
28 然れども若し人爾等に、此れは偶像に獻げし物なりと言はば、食ふ勿れ、之を告げし者の爲、及び良心の爲の故なり、蓋地と之に滿つる者とは皆主に属す。
29 良心とは、己の者に非ずして、他人の者を言ふなり、蓋我の自由は何ぞ他の良心に議せられん。
30 若し我恩寵に由りて食はば、何ぞ我が感謝する所の者に縁りてそしりを受けん。
31 故に爾等或は食ひ、或は飮み、或は何事を行ふに論なく、皆神の光榮の爲に行へ。
32 イウデヤ人にも、エルリン人にも、神の教會にも、躓と爲る勿れ。
33 卽我が凡の事に於て衆を悅ばしめ、己の利益を求めずして、多くの者の利益を、其救を得ん爲に求むるが如くすべし。
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