2023年02月06日 13:43
第15章 (コリンフ前書)
1 兄弟よ、我が嘗て爾等に傳へし福音を復爾等に告ぐ、仍爾等が受けし所、之を以て立ちし所なり。
2 爾等若し之を我が福音せし如く守り、且徒に信ずることなくば、之に由りて救を得ん。
3 蓋我が初に爾等に傳へし所は、我自らも受けし所なり、卽ハリストスは我等の罪の爲に死せり、聖書に錄せるが如し、
4 又彼は葬られ、第三日に復活せり、聖書に錄せるが如し。
5 又キファに、後十二人に現れ、
6 其後五百餘の兄弟と共に在るに現れたり、其中多くの者は今に至るまで猶存す、已に寝りたる者もあり。
7 其後イアコフに、又悉くの使徒に現れ、
8 卒に我月たらぬ如き者にも現れたり。
9 蓋我は使徒の中に於て最小き者にして、使徒と名づけらるるに堪へず、神の教會を窘逐せしが故なり。
10 然れども神の恩寵に由りて、我は我たるを得たり、且我に存する神の恩寵は空しからざりき、乃我は彼等衆よりも多く勞せり、然るに我に非ず、乃我と偕にする神の恩寵なり。
11 故に我と彼等とを論ぜず、我等是くの如く傳ふ、爾等も是くの如く信ぜり。
12 然れども若しハリストスの事、彼は死より復活せりと傳へられば、如何ぞ爾等の中に在る者は、死者の復活なしと言ふ。
13 若し死者の復活なくば、ハリストスの復活せざりしならん。
14 若しハリストス復活せざりしならば、我等の傳ふる所空しく、爾等の信も亦空し。
15 且我等は神の事を妄證する者たりしならん、蓋神の事を證して、彼はハリストスを復活せしめたりと言へり、然れども若し死者復活せずば、彼は之を復活せしめざりしなり。
16 蓋若し死者復活せずば、ハリストスも復活せざりしならん。
17 若しハリストス復活せざりしならば、爾等の信は空し、爾等は猶罪の中に在るなり。
18 故にハリストスに於て寝りし者も亡びしなり。
19 且我等若し斯の生命にのみハリストスを恃まば、我等は悉くの人より不幸の者たるなり。
20 然れども今ハリストスは死より復活し、死せし者の中に初實と爲れり。
21 蓋死の人に因るが如く、死者の復活も亦人に因るなり。
22 アダムに在りて皆死するが如く、斯くハリストスに在りて皆復活せん。
23 唯各其序あり、初實は卽ハリストス、次はハリストスに属する者彼の來らん時に在り。
24 其後は終なり、彼が國を神父に付さん時、卽凡の首領、凡の權柄と、能力とを廢せんとする時なり。
25 蓋彼必ず悉くの敵を其足下に置くに至るまで王たるべし。
26 最後に滅されんとする敵は死なり。蓋萬有を其足下に服せしめたり。惟萬有の彼に伏せしめられたりと云ふ時は、萬有を彼に服せしめし者の其内に在らざること明なり。
28 萬有を彼に服せしめん時、子も亦親ら、萬有を彼に服せしめし者に服せん、神が萬有の中に萬事たらん爲なり。
29 然らずば、死者の爲に洗を受くる者は何をか爲す。若し死者敢て復活せずば、何ぞ死者の爲に洗を受くる。
30 何ぞ我等も時毎に危険に遇ふ。
31 我毎日死す、兄弟よ、我ハリストス イイスス我等の主に於て有つ所の爾等の誉を以て之を證す。
32 人の情に循ひて言はば、我エフェスに在りて猛獣と闘ひしこと、若し死者復活せずば、我に何の益か在らん。食飮すべし、蓋明日死なん。
33 自ら欺く毋れ、惡しき交は善き習を壞る。
34 義に醒めよ、罪を犯す勿れ、蓋爾等の中に神を識らざる者あり、我爾の愧の爲に之を言ふ。
35 然れども人或は曰はん、死者は如何に復活せんか。何の身を以て來らんかと。
36 無知なる者よ、爾の播く所の者、若し死なずば、生きざらん。
37 且爾が播く所は、將來の體を播くに非ず、乃在る所の粒のみ、或は麥、或は他の穀なり。
38 然れども神は欲する所に隨ひて、之に體を與へ、種毎に其本體を與ふるなり。
39 凡の肉は同じき肉に非ず、乃人には其肉あり、獣には其肉あり、魚には其肉あり、鳥には其肉あり。
40 又天の體あり、地の體あり、而して天の體の榮は地の體の榮と異なり。
41 日には其榮あり、月には其榮あり、星には其榮あり、又星と星と其榮を異にす。
42 死者の復活も亦斯くの如し、朽つる者として播かれ、朽ちざる者として起く、
43 尊からざる者として播かれ、榮ゆる者として起く、弱き者として播かれ、强き者として起く、
44 靈に属する體として播かれ、神゜に属する體として起く。靈に属する體あり、又神゜に属する體あり。
45 若く錄す所あり、云く、始の人アダムは生くる靈と爲れり、終のアダムは乃生かす神゜なり。
46 然れども神゜に属する者先に在らず、乃靈に属する者先なり、後は神゜に属する者なり。
47 第一の人は地よりして土に属し、第二の人は天よりして主なり。
48 土に属する者は若何、凡の土に属する者も此くの如し、天に属する者は若何、凡の天に属する者も此くの如し。
49 我等は土に属する者の状を衣たるが如し、亦天に属する者の状を衣ん。
50 兄弟よ、我之を爾等に謂ふ、血肉は神の國を嗣ぐ能はず、朽つる者は不朽を嗣がざらん。
51 觀よ、我爾等に奥義を言ふ、我等皆寝らんとするには非ず、然れども皆變ぜん、
52 俄頃に瞬の間に、末の箛の時に於てす、蓋箛は鳴らん。而して死者は不朽の者として復活し、我等は變ぜん。
53 此の朽つる者は不朽を衣、此の死する者は不死を衣るべければなり。
54 此の朽つる者は不朽を衣、此の死する者は不死を衣ん、錄されし言は應はん、云く、死は勝に呑まれたり。
55 死よ、爾の棘は安にか在る、地獄よ、爾の勝は安にか在ると。
56 死の棘は罪なり、罪の能は律法なり。
57 神に感謝す、其我等に、我が主イイスス ハリストスに由りて、勝を賜ひしが故なり。
58 是を以て我が至愛の兄弟よ、爾等堅固にして揺かず、恒に勵みて主の事に進め、爾等の勞の主の前に空しからざるを知ればなり。
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