2023年02月21日 13:51
第1章 (イオナ書)
1 主 の言 アマフィヤの子 イオナに臨 めり、云 く、
2 起 ちて、大 なる邑 ニネワィヤに往 きて、之 に宣 べ伝 へよ、蓋 其 悪 の声 は上 りて我 が前 に至 れり。
3 イオナ起 ちて、主 の面 を避 けて、ファルシスに逃 れんと欲 して、イオッピヤに至 り、ファルシスに往 かんとする舟 に遇 ひて、値 を給 して之 に登 れり、主 の面 を避 けて、彼 等 と偕 にファルシスに往 かん為 なり。
4 然 れども主 は大 風 を海 の上 に起 して、烈 しき颶風 海 に在 りたれば、舟 幾 ど壊 れんとせり。
5 舟人 懼 れて、各 其 神 に呼 び、又 舟 を軽 くせん為 に其 載貨 を海 に抛 てり、惟 イオナは舟 の内層 に下 りて、臥 して熟睡 せり。
6 舟師 彼 に就 きて曰 へり、爾 何 ぞ熟睡 する、起 きて爾 の神 に呼 べ、神 或 は我 等 を念 ひて、亡 びざらしめん。
7 人 衆 互 に言 へり、我 等 籤 を掣 きて、此 の災 の誰 に縁 りて我 等 に臨 みしかを知 らん。乃 籤 を掣 きしに、籤 イオナに当 れり。
8 其 時 皆 彼 に謂 へり、我 等 に告 げよ、此 の災 の我 等 に臨 みしは何 の故 ぞ、爾 の業 は何 ぞや、爾 は何 より来 れるか、爾 の故土 は何 の処 ぞ、爾 は何 の民 に属 するか。
9 彼 曰 へり、我 はエウレイ人 にして、主 天 の神 、海 と陸 とを造 りし者 を敬 ふ。
10 是 に於 て人 衆 大 に懼 れて彼 に謂 へり、爾 胡為 れぞ此 を行 ひたる、蓋 此 の人 衆 は彼 が主 の面 を避 けて逃 るるを知 れり、彼 自 ら之 を告 げたればなり。
11 乃 彼 に謂 へり、我 等 爾 に何 を為 して、海 の我 等 の為 に靖 まるを致 すべきか。蓋 海 は愈 甚 しく蕩 れたり。
12 イオナ彼 等 に謂 へり、我 を取 りて海 に投 げよ、然 らば海 は爾 等 の為 に靖 まらん、蓋 我 知 る、此 の大 なる颶風 の爾 等 に臨 みしは我 が故 に縁 りてなり。
13 此 の人 衆 務 めて漕 て、陸 に進 まんと欲 したれども、遂 に能 はざりき、海 彼 等 に向 ひて益 烈 しく蕩 れたればなり。
14 其 時 彼 等 主 に呼 びて曰 へり、主 よ、爾 に求 む、此 の人 の生命 の為 に我 等 の亡 ぶるを致 す毋 れ、辜 なき血 を我 等 に帰 す毋 れ、蓋 爾 、主 よ、爾 の旨 に適 へる事 を行 へり。乃 イオナを取 りて、海 に投 げたれば、海 の盪 るること息 みたり。
15 此 の人 人 大 に主 を畏 れて、主 に祭 を献 じ、誓願 を立 てたり。
16 主 は大 なる鯨 に命 じてイオナを呑 ましめたり、イオナは此 の鯨 の腹 の中 に居 りしこと三日 三 夜 なりき。
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