2023年02月23日 13:13
第30聖詠
1 伶長に歌はしむ、ダワィドの詠。(擾亂の時)
2 主よ、爾を恃む、我に世世に愧なからしめよ、爾の義を以て我を免れしめ給へ。
3 爾の耳を傾けて、速に我を免れしめよ、我が爲に磐石となり、隱家となりて、我を救ひ給へ、
4 蓋爾は我が石山、我が石垣なり、爾の名に依りて我を導き、我を治め給へ。
5 竊に我が爲に設けたる網より我を引き出し給へ、爾は我が固なり。
6 我が神゜を爾の手に託す、主眞理の神よ、爾曾て我を救へり。
7 我虛しき偶像を尊む者を疾み、唯主を恃む。
8 我爾の憐を歡び樂まん、蓋爾は我が禍を顧み、我が靈の憂を知り、
9 我を敵の手に付さず、我が足を廣き處に立てたり。
10 主よ、我を憐み給へ、我困狭に居ればなり、我が目は憂に緣りて枯れたり、我が靈も我が腹も亦然り。
11 我が生命は悲の中に盡き、我が年は嘆の中に盡きたり、我が力は罪に依りて弱り、我が骨は枯れたり。
12 我は諸敵に因りて隣にも辱しめられ、知人には忌み憚られ、我を衢に見る者は我を避く。
13 我は死者の如く人の心に忘れられたり、我は壞られたる器の如し。
14 蓋我は多人の誹を聞く、彼等が相議して我を攻め、我が靈を抜かんと計るとき、四方に惶あり。
15 主よ、唯我爾を恃む、我謂ふ、爾は我の神なり。
16 我が日は爾の手に在り、我を我が敵の手及び我を攻むる者より免れしめ給へ。
17 爾の光る顏を爾の僕に顯し、爾の憐を以て我を救ひ給へ。
18 主よ、我爾に呼ぶに由りて、羞を得しむる毋れ、
19 願はくは無道の者は羞を蒙りて、地獄に沈默せん。願はくは傲と侮とを以て、義人に向ひて、惡を言ふ謊の口は啞とならん。
20 大なる哉爾の恩、爾を畏るる者の爲に蓄へ、爾を恃む者の爲に、人の子の前に、備へたる者や。
21 爾は彼等を人の亂より爾が面の廕に庇ひ、彼等を舌の爭より幕の中に隱す。
22 主は崇め讚めらる、彼は己の妙なる憐を我に堅固なる城邑の中に顯したればなり。
23 我が惑へる時、我爾の目より絶たれたりと思へり、然れども我が爾に呼びし時、爾は我が祈の聲を聽き給へり。
24 主の悉くの義人は主を愛せよ、主は忠信の者の信を護り、傲慢の者には嚴しく報ゆ。
25 凡そ主を賴む者は勇め、爾等の心は固くなるべし。
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