2023年02月24日 13:08
第35聖詠
1 伶長に歌はしむ、主の僕ダワィドの詠。
2 惡者の不法は我が心の中に謂ふ、其目の前に神を畏るる畏なし、
3 蓋彼自ら己の目前に諂ひて、其不法を疾まんとして、之を糺すに似たり、
4 其口の言は不實にして譌なり、
5 彼は悟りて善を行ふを望まず、彼其榻に在りて不法を謀り、自ら不善の途に立ちて、惡を憎まず。
6 主よ、爾の慈憐は天に戻り、爾の眞實は雲に戻る。
7 爾の義は神の山の如く、爾の判は大なる淵の如し。主よ、爾は人と獸とを守る。
8 神よ、爾の憐は何ぞ貴き、人の子は爾が翼の蔭に安んじ、
9 爾が家の腴に飫く、爾は彼等に爾の甘味の流より飮ましむ、
10 蓋生命の源は爾に在り、我等爾の光に於て光を見る。
11 爾の憐を知る者に、爾の義を心の直き者に恒に垂れ給へ。
12 願はくは驕の足は我を踶まず、罪人の手は我を逐はざらん。不法を行ふ者は彼處に仆れ、隕されて起つ能はず。
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