2023年02月24日 13:21
第38聖詠
1 伶長イディフムに歌はしむ。ダワィドの詠。
2 我言へり、我舌を以て罪を犯さざらん爲に、我が途を愼み、惡者の前に在る間、我が口を箝まん。
3 我啞にして言なく、善事と雖默せり、我が憂は猶動けり。
4 我が心は我の中に爇け、我が意の中に火焚えたり、我舌を以て始めて云へり、
5 主よ、我に我が終と我が日の數の幾何なるとを告げて、我に我が代の如何を知らしめよ。
6 視よ、爾我に日を畀へしこと指尺の如く、我が代は爾の前に有るなきが如し。
7 誠に凡そ生ける人は全く虛し。誠に人は行くこと幻の如く、彼徒に煩劇をなし、貯へて誰に獲らるるを知らず。
8 主よ、今我何をか俟たん、我が望は爾に在り。
9 我を我が悉くの不法より脫し、我を愚人の辱に任す毋れ。
10 我啞となりて我が口を啓かず、爾是を爲したればなり。
11 爾の打撃を我より去れ、爾の手の撃つに因りて我幾ど消ゆ。
12 若し爾責を以て人を其罪の爲に罰せば、其美麗は蠹蝕の如くに散らん。誠なる哉、人皆虛し。
13 主よ、我が祈禱を聆き、我が呼ぶ聲に耳を傾けよ、我が涙に默す毋れ、蓋我は爾の前に旅客たり、寄寓者たり、我が列祖の如し。
14 我より退きて、我に世を逝りて没する先に安んずるを得しめ給へ。
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