2023年02月24日 13:55
第43聖詠
1 伶長に歌はしむ。コレイの諸子の教訓
2 神よ、我等は己の耳にて聞けり、我が列祖は爾が彼等の日、卽古の日に行ひし事を我等に述べたり。
3 爾は己の手にて諸民を滅して、彼等を植ゑ、諸族を撃ちて、之を逐ひ出せり、
4 蓋彼等は己の劔を以て地を得たるに非ず、彼等を救ひし者は己の臂に非ず、卽爾が右の手、爾の臂、爾が顏の光なり、蓋爾は彼等を愛せり。
5 神我が王よ、爾は古に異ならず、願はくは救をイアコフに賜へ。
6 我等爾と偕に角を以て我が敵を衝き破らん、爾の名に賴りて我等を攻むる者を践まん、
7 蓋我は我が弓を賴むに非ず、我が劔は我を救はんとするに非ず、
8 乃爾は我等を我が敵より救ひ、我等を疾む者を辱しめん。
9 我等は日日神を以て己の誉となし、永く爾の名を讚榮せん。
10 然れども今爾は我等を棄て、我等を辱しめ、我が軍と偕に出でず、
11 我等をして敵の前より退かしめたり、我等を疾む者は我等を掠む、
12 爾は我等を羊の如く食はるるに任せ、我等を諸民の間に散らせり、
13 利なくして爾の民を売り、其価を高くせざりき、
14 我等の隣の辱に任せ、我等を環る者の嘲と戯とに任せたり、
15 爾我等を諸民の衝となし、異邦民は我等を見て首を搖かす。
16 我が辱は毎日我の前に在り、愧は我が面を蔽ふ、
17 我を侮り我を謗る者の聲に因り、我に敵し我に仇する者の視るに因りてなり。
18 是れ皆我等に臨めり、然れども我等爾を忘れず、爾の約を破らざりき。
19 我が心退かず、我が足爾の途を離れざりき。
20 是れ爾が我等を龍の地に傷め、我等の死の蔭にて蔽ひし時にあり。
21 我等若し我が神の名を忘れ、手を伸べて他の神に向はば、
22 神豈に之を糺さざらんや、彼は心の密事を知ればなり。
23 爾の爲に我等毎日殺され、人の我等を視ること、屠に定められたる羊の如し。
24 主よ、起きよ、何ぞ寝ぬる、覺めよ、永く棄つる毋れ。
25 何爲れぞ爾の顏を隱し、我等の苦難と我等の迫害とを忘るる、
26 蓋我が靈は塵に俯し、我が腹は地に貼きたり。
27 起きて我等を佑けよ、爾の憐に因りて我等を救ひ給へ。
次章
│聖詠