2023年02月25日 13:36
第48聖詠
1 伶長に歌はしむ。コレイの諸子の詠。
2 萬民之を聽け、
3 全地に居る者、貴賤貧富を論ぜず、皆之に耳を傾けよ。
4 我が口は睿智を出し、我が心の思は智識を出さん。
5 我が耳を傾けて比喩を聽き、琴を以て我が隱語を解かん。
6 我が患難の日、我を迫害する者の惡我を環る時、我何ぞ懼れん。
7 己の力を恃み、其財の多きに誇る者よ、
8 人敢て其兄弟を贖ふ能はず、彼の爲に神に償をなす能はず、
9 其靈を贖ふ価は貴し、
10 人常に存して墓を見ざること、世世之なからん。
11 人皆見る、智者も死し、愚者も無智者も滅びて、其財を他人に遺す。
12 彼等思へらく、其家は永く存し、其住所は世世に存せん、彼等己の名を以て其地に名づく。
13 惟人は貴きに止るを得ず、彼は亡ぶる獸の如くならん。
14 彼等の道は愚蒙なり、然れども其後の人は尚其意を是とす。
15 彼等は羊の如く地獄に閉され、死は彼等を牧せん、平旦に義者は彼等を主らん、彼等の力は竭き、墓は彼等の住所とならん。
16 惟神は我を納れんとする時、我が靈を地獄の權より脫れしめん。
17 人富を致し、其家倍榮ゆる時、爾懼るる毋れ、
18 蓋彼死して一切を攜へず、其榮は彼に伴はざらん。
19 彼存命の時其靈を樂ませ、且人爾が自ら滿足するを見て、爾を讚むれども、
20 彼は永く光を觀ざる其列祖の處に往かん。
21 人の貴くして無智なるは、亡ぶる獸の如し。
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