2023年05月21日 14:35
第57聖詠
1 伶長に歌はしむ。滅す毋れ。ダワィド之を著せり。
2 裁判者よ、爾等誠に義を言ふか、人の子よ、爾等正しく裁判するか。
3 爾等は心の中に不法を設け、爾等の手の地に行ひし惡業を權衡に置く。
4 惡人は生まるる時より道を離れ、母の腹より迷ひて譌を言ふ。
5 彼等の毒は蛇の毒の如く、聾の蝮が耳を塞ぎて、
6 妙術に尤も巧なる妙術者の聲を聽かざるが如し。
7 神よ、其口の歯を折け、主よ、獅の頤を壞り給へ。
8 願はくは彼等は流水の如く消え、弓の張り矢を發つ時、其自ら折るるが如くならん。
9 願はくは彼等は化する蝸牛の如く消え、墮胎の児の如く日を見ざらん。
10 爾の釜未だ棘の熱を覺えざる先に、願はくは大風燃ゆると燃え付かざるとを合せて之を散らさん。
11 義者は報を見て喜び、惡者の血を以て其足を濯はん。
12 時に人云はん、義者には誠に果報あり、故に審判を地に行ふ神あり。
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