2023年05月25日 14:08
第73聖詠
アサフの教訓。
1 神よ、何爲れぞ永く我等を棄て、爾の怒は爾が草苑の羊に燃えたる。
2 爾が古より獲たる會、贖ひて爾が嗣業の柄となしし者、卽爾が居る所の此のシオン山を記憶せよ。
3 爾の足を歴代の廢址に動かせ、敵は聖所に於て悉く毀てり。
4 爾の敵は爾の會の中に吼え、我が幟に代へて己の記號を樹てたり。
5 己を顯はすこと、高く斧を擧げて交りたる樹の枝を伐らんとする者の如くせり。
6 今彼等は斧を以て鉞を以て、一時に其悉くの彫刻を毀てり。
7 爾の聖所を火に付し、全く爾の名の住所を汚せり。
8 其心に謂へり、全く彼等を壞らんと、遂に地上にある神の會の處を盡く焚けり。
9 我等は我が幟を見ず、預言者已になし、我等の中誰も此くの如きことの何の時に至らんとするを知る者なし。
10 神よ、敵の謗ること何の時に至らんか、豈に仇は永く爾の名を侮らんや。
11 爾胡爲れぞ爾の手、爾の右の手を避くる、爾が懷の中より彼等を撃ち給へ。
12 神、我が古世よりの王、救を地の中に作す者よ、
13 爾は己の力を以て海を裂き、爾は蛇の首を水の中に碎けり。
14 爾は鱷の首を碎き、之を曠野の人に予へて食となせり。
15 爾は泉と流とを截り出し、爾は大なる河を涸せり。
16 晝は爾に屬し、夜も爾に屬す、爾は諸の光と日とを備へたり。
17 爾は地の悉くの界を立て、夏と冬とを設けたり。
18 記憶せよ、敵は主を謗り、無智の民は爾の名を侮る。
19 爾が班鳩の靈を野獸に投ずる毋れ、永く爾が貧しき者の會を忘るる毋れ。
20 爾の約を顧みよ、蓋凡そ地の暗き處は強暴の住所に充てられたり。
21 迫害せられし者に羞を得て歸らしむる毋れ、願はくは貧しき者と乏しき者とは爾の名を讚め揚げん。
22 神よ、起きて爾の事を衞れ、無智の者が日日に爾を謗るを記憶せよ、
23 爾が敵の聲を忘るる毋れ、爾に逆ふ者の譁擾は起りて息まず。
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