2023年05月31日 13:48
第88聖詠
1 エズラの裔エファムの教訓。
2 主よ、我永く爾の慈憐を歌ひ、吾が口を以て世世に爾の眞實を傳へん。
3 蓋我言ふ、慈憐は永く建てられたり、爾は爾の眞實を天に固めたり、
4 曰く、我は我が選びし者と約を立て、我が僕ダワィドに誓ひたり、
5 我永く爾の裔を固め、世世に爾の寶座を建てんと。
6 主よ、諸天は爾の奇異なる事と爾の眞實とを聖者の會に讚榮せん。
7 蓋諸天に於て孰か主に並ぶを得ん、神の子の中孰か主に較ぶるを得ん。
8 神は聖者の大會に於て畏るべく、凡そ彼を環ぐる者の爲に畏るべし。
9 主、萬軍の神よ、孰か爾主の如く有力なる。爾の眞實は爾を環る。
10 爾は海の激怒を治め、其波の騰る時、爾之を鎭む。
11 爾はラアフを仆ししこと傷つけられし者の如く、爾が有能の臂にて爾の諸敵を散らせり。
12 天は爾に屬し、地も爾に屬す、世界と其中に滿つる者とは、爾之を建てたり。
13 北と南とは爾之を造れり、ファワォルとエルモンとは爾の名に因りて欣ぶ。
14 爾の臂は有能なり、爾の手は有力なり、爾が右の手は高し。
15 公平と公義とは爾が寶座の基なり、慈憐と眞實とは爾が顏の前に行く。
16 角の呼聲を識る民は福なり、主よ、彼等は爾が顏の光の中に行き、
17 終日爾の名に因りて歡び、爾の義を以て擧る、
18 蓋爾は其力の榮なり、我等の角は爾の惠に緣りて擧げらる。
19 我が盾は主よりし、我が王はイズライリの聖なる者よりす。
20 昔爾異象の中に於て爾の聖者に謂へり、我勇者に助を顯し、民より選ばれし者を擧げたり。
21 我我が僕ダワィドを獲、我が聖膏を以て之に膏せり。
22 我が手恒に彼と偕にし、我が臂彼を固めん。
23 敵は彼に勝たず、不法の子は彼を害せざらん。
24 我其前に於て其敵を破り、彼を疾む者を撃たん。
25 我が眞實我が慈憐は彼と偕にし、其角は我が名に緣りて擧がらん。
26 我其手を海に置き、其右の手を河に置かん。
27 彼我を呼びて云はん、爾は我が父、我が神、我が救の防固なり。
28 我彼を長子となして、地の諸王より高くせん。
29 我彼の爲に永く我が憐を護り、我が彼と結びし約は眞ならん。
30 我永く其裔を存し、天の日の如く其寶座を存せん。
31 若し其子我が法を棄て、我が誡を行はず、
32 我が律を犯し、我が命を守らずば、
33 我杖を以て彼等の不法を撃ち、鞭を以て彼等の不義を撃たん、
34 然れども我が慈憐を彼より離さず、我が眞實を廢せざらん、
35 我が約に違はず、我が口より出でし者を易へざらん。
36 我一次我が聖を以て誓ひたり、我豈にダワィドを欺かんや。
37 其裔は永く存し、其寶座は日の如く我が前に存せん、
38 月の如く永く堅固ならん、天には正しき證者ありと。
39 然れども今爾棄て且輕んじ、爾の膏つけられし者を怒れり。
40 爾の僕と結びし約を廢して、其冠を地に擲てり、
41 其悉くの藩を毀ち、其城を廢址となせり。
42 路を行く者は皆彼を掠む、彼は其隣の笑となれり。
43 爾は其仇の右の手を高くし、其悉くの敵を欣ばしめたり。
44 爾は彼が劔の刃を轉じ、彼を戰に立たざらしめ、
45 其光を褫ひ、其寶座を地に倒し、
46 其少壮の日を短くし、羞を以て彼を覆へり。
47 主よ、爾恒に隱るること何の時に至るか、爾の怒の火の如く燃ゆるは何の時に至るか。
48 記憶せよ、我が生くる時は如何なるか、
49 爾如何なる空虛の爲に悉くの人の子を造りしか、人の中誰か生きて死を見ず、己の靈を地獄の手より脫したる。
50 主よ、爾が往時の慈憐は安にあるか、爾は爾の眞實を以てダワィドに誓ひたり。
51 主よ、爾が諸僕の蒙れる侮、我が悉くの強き民より受けて我が懷に抱ける者を記憶せよ、
52 主よ、爾の敵が如何に謗り、如何に爾の膏つれられし者の跡を辱しむるを記憶せよ。
53 主は世世に崇め讚めらる。アミン、アミン。
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