2023年05月31日 13:50
第89聖詠
1 神の人モイセイの祈禱。
2 主よ、爾は世世に我等の避所たり。
3 山未だ生ぜず、爾未だ地と全世界とを造らざる先、且世より世までも爾は神なり。
4 爾人を塵に歸らしめて曰ふ、人の子よ、歸れと。
5 蓋爾が目の前には、千年は過ぎし昨日の如く、夜間の更の如し。
6 爾は大水の如く彼等を流す、彼等は夢の如く、朝に生ふる草の如し、朝には花さきて且靑し、暮には刈られて稿る。
7 蓋我等は爾の怒に因りて消え、爾の憤に因りて惶れ惑ふ。
8 爾は我等の不法を爾の前に置き、我等の隱れたる事を爾が顏の光の前に置けり。
9 我等が悉くの日は爾が怒の中に過ぎ、我等は我が歳を失ふこと音の如し。
10 我が歳の數は七十年、或は健なれば八十年なり、其間の壮なる時も、劬勞と疾病あり、蓋其過ぐること速にして、我等飛び去る。
11 誰か爾が怒の力を知り、又爾を畏るる度に依りて爾の憤を識らん。
12 願はくは我等に我が日を算ふることを教へて、智慧の心を獲しめ給へ。
13 主よ、面を回せ、何の時に至るか、爾の僕を憐み給へ。
14 夙に爾の憐を以て我等に飽かしめよ、然せば我等生涯歡び樂まん。
15 爾我等を撲ちし日、我等が禍に遭ひし年に代へて、我等を樂ましめ給へ。
16 願はくは爾の工作は爾の諸僕に著れ、爾の光榮は其諸子に著れん、
17 願はくは主吾が神の惠は我等に在らん、願はくは我が手の工作を我等に助け給へ、我が手の工作を助け給へ。
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