2023年06月09日 13:06
第103聖詠
(ダワィドの詠。世界創造の事なり。)
1 我が靈よ、主を讚め揚げよ、主我が神よ、爾は至りて大なり、爾は光榮と威嚴とを被れり。
2 爾は光を袍の如くに衣、天を幔の如くに張る、
3 水の上に爾の宮を建て、雲を爾の車と爲し、風の翼にて行く。
4 爾は風を以て爾の使者と爲し、焰を以て爾の役者と爲す。
5 爾は地を固き基に建てたり、此れ世世に動かざらん。
6 爾は淵を以て衣服の如くに之を覆へり、山の巓に水立つ。
7 爾の恐嚇に依りて此れは奔り、爾の雷の聲に由りて速に去る、
8 山に升り、澗に降り、爾の此れが爲に定めし處に至る。
9 爾界を立てて之を踰えざらしむ、反りて地を覆はざらん。
10 爾は泉を谷に遣せり、山の間に水は流れ、
11 野の諸の獸に飮ましむ、野の驢は其渇を止む。
12 空の鳥は其傍に棲み、枝の間より聲を出す。
13 爾は上なる宮より山を潤し、地は爾の造工の果にて饜き足れり。
14 爾は草を獸の爲に生ぜしめ、野菜を人の需の爲に生ぜしめて、地より食物を出さしむ。
15 酒は人の心を樂ませ、膏は其面を澤し、餅は人の心を養ふ。
16 主の樹、其植ゑたるリワンの栢香木は饜き足れり、
17 鳥は其上に巣を造る、松は鶴の棲處たり、
18 高き山は鹿の爲、磐石は兎の避所たり。
19 主は月を造りて時を定め、日は其入る處を知る。
20 爾暗を布けば、則夜あり、其時林の獸皆出で廻る、
21 獅は獲物の爲に吼えて、其食を神に乞ふ。
22 日出づれば、彼等集りて己の穴に伏す。
23 人は其工作の爲に出で、勞きて暮に至る。
24 主よ、爾の工業は何ぞ多き、皆智慧を以て作れり、地は爾の造物にて滿ちたり。
25 夫の大にして廣き海、彼處には無數の動物、大小の生物あり、
26 彼處には舟通ひ、彼處には彼の大魚あり、爾造りて其中に遊ばしむ。
27 彼等は皆爾が時に隨ひて食を予ふるを待つ。
28 之に予ふれば受け、爾の手を開けば賜に饜かさる、
29 爾の顏を隱せば惶れ惑ひ、其気を取り上ぐれば死して塵に歸る。
30 爾の気を施せば造られ、爾は又地の面を新にす。
31 願はくは光榮は世世に主に在らん、願はくは主は己の造工の爲に樂まん。
32 彼地を觀れば、地震ひ、山に觸るれば、煙起つ。
33 我生ける中主に歌ひ、世を終るまで我が主に歌はん。
34 願はくは我が歌は彼に悅ばれん、我主の爲に樂まん。
35 願はくは罪人等は地より消え、不法の者は存するなけん。我が靈よ、主を讚め揚げよ。
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