2023年06月17日 14:12
第138聖詠
伶長に歌はしむ。ダワィドの詠。
1 主よ、爾我を試みて我を識る。
2 我が坐し、我が起つことは、爾之を識る、爾遠きより我の念慮を知る。
3 我が往くにも、我が息ふにも、爾我を環る、我が悉くの途は爾之を知れり。
4 我が舌未だ言なきに、爾、主よ、已に全く之を識る。
5 爾前後より我を圍み、爾の手を我に置く。
6 爾の知識は我が爲に奇異なり、高尚なり、我之を測る能はず。
7 我安に往きて爾の神を避けん、安に走りて爾の顏を脫れん、
8 天に升らんか、爾彼處にあり、地獄に降らんか、彼處にも爾在り、
9 曉の翼を取りて、海の極に移らんか、
10 彼處にも爾の手我を導き、爾の右の手我を援けん。
11 或は云はん、闇冥は我を隱し、我を環る光は夜とならんと、
12 然れども闇冥も爾の前に暗からしめざらん、夜も明なること晝の如く、闇冥は光の如し。
13 蓋爾我が臓腑を造り、我が母の腹の中に我を織れり。
14 我爾を讚榮す、蓋我奇妙に造られたり。爾の作爲は奇異なり、我が靈全く之を知る。
15 我が奥密に造られ、腹の深處に形づくらるる時、我が骨爾に隱れず。
16 我が胚胎は、爾の目之を見たり、我が爲に定められし日は、其一も未だあらざりし先に皆爾の書に記されたり。
17 神よ、爾の念慮は我が爲に何ぞ高き、其數は何ぞ多き。
18 我之を計らんか、然れども其多きこと沙に過ぐ、我寤むる時、尚爾と偕にす。
19 鳴呼神よ、願はくは爾惡者を撃たん、血を流す者よ、我に離れよ。
20 彼等爾に向ひて惡を言ひ、爾の敵は空しきことを謀る。
21 主よ、我豈に爾を疾む者を疾まざらんや、我豈に爾に逆ふ者を厭はざらんや、
22 我甚しき疾を以て彼等を疾み、彼等を以て我が敵となす。
23 神よ、我を試みて、我が心を知り、我を試みて、我が念慮を知り給へ、
24 且觀よ、我危き途に在るにあらずや、乃我を永遠の途に向はしめ給へ。
次章
│聖詠