イサイヤ書
2023年02月21日 13:29
1 アモスの子イサイヤの見し所の異象、乃イウデヤとイエルサリムとの事なり、其イウデヤの諸王オジヤ、イオアファム、アハズ、エゼキヤの日に於て見し所なり。
2 天よ、聴け、地よ、耳を傾けよ、蓋主之を言ふ、我子を養やしなひ、之を高くせり、然れども彼等我に叛けり。
3 牛は其飼主を識り、驢は其主の槽を識る、然れどもイズライリは我を知らず、我が民は悟らず。
4 嗟乎罪悪の民、不法の盈つる人々、悪者の族、沈淪の諸子よ、爾等主を棄て、イズライリの聖者を侮り、転じて之を離れたり。
5 逆ひて息まざる者よ、何の処か復爾等を撻つべき、首は徧く痍を負ひ、心は全く衰へたり。
6 足の跖より首の頂に至るまで彼に全き所なし、唯傷損、腐潰、膿みたる瘡のみ、洗はず、束ねず、膏を以て柔げざる者なり。
7 爾等の地は荒らされ、爾等の邑は火に焚かれ、爾等の田は爾等の目前に於て外人之を食ふ、皆荒れたること、外人に敗られし後の如し。
8 シオンの女は遺れること、葡萄園の廬の如く、菜園の舎の如く、圍み攻めらるる城の如し。
9 若し主サワオフ我等に少許すこしの残余を留めざりしならば、我等はソドムに似、ゴモラの如く為りしならん。
10 ソドムの諸矦よ、主の 言を聴け、ゴモラの民よ、我が神の律法に耳を傾けよ。
11 主云く、爾等の多くの犠牲は我に於て何をか為さん、牡羊の燔祭と肥えたる家畜の膏とは、我之に饜きたり、牡牛と羔と牡山羊との血は、我之を欲せず。
12 爾等我が面の前に来る時、誰か爾等に促して我が庭を践ましむる。
13 復虚しき献物を攜ふる毋れ、焚ける香は、我之を憎む、
14 新月と安息日と祭日の集会とは、我之を忍ばず、祭祀には何ぞ不法を兼ぬべけん。爾等の新月と爾等の祭日とは、我が霊之を憎む、是れ我が為に重負なり、我之を堪へ難しとす。
15 爾等手を舒ぶる時、我我が目を爾等より掩ふ、爾等祈を益す時、我聴かず、爾等の手には血盈ちたり。
16 己を洗ひ、己を浄めよ、爾等の悪業を我が目の前より去れ、悪を行ふを罷めよ、
17 善を行ふを学べ、義を求めよ、虐げらるる者を救へ、孤子を護れ、寡婦の訟を理めよ。
18 主云く、其時来りて論議せん、爾等の罪若し紅の如くならば、我之を雪の如く白くせん、若し丹の如く赤くば、羊の毛の如く白くせん。
19 爾等若し肯ひて順はば、地の善物を食はん、
20 若し肯はずして逆はば、剣爾等を齧まん、蓋主の口之を言ふ。
21 忠信の城邑、義判の充ちたる者は、如何にして淫婦とは為りたる、義其中に居りしが、今は殺人者居るなり。
22 爾の銀は渣滓と為り、爾の酒は水を雑ふ、
23 爾の諸矦は法を壊る者と為り、盗賊の党と為り、彼等皆賄賂を喜び、苞苴を追ひ求め、孤子を防ぎ護らず、嫠婦の訟は彼等に至らず。
24 故に主、万軍の主、イズライリの有能者云く、噫我敵に向ひて念を散し、仇に向ひて報を為さん、
25 我手を挙げて爾に加へ、灰汁を以てするが如く爾を浄めて、混物を去り、爾の鉛を尽く除き、
26 而して又爾の審士を旧の如く、爾の議官を初の如く立てん、其時爾は義の邑、忠信の城市と称へられん。
27 シオンは義判を以て救はれ、其転じたる諸子は義を以て救はれん。
28 然れども反逆の者と罪人とは皆壊られ、主を棄てたる者は滅されん。
29 彼等は斯く爾等の慕へる橡の森に縁りて羞を得、爾等の択びたる園に縁りて辱しめられん、
30 蓋爾等は葉の落ちたる橡の樹の如く、水なき園の如くならん。
31 強き者は麻縷の如く、其工作は火花の如くなり、共に燃えて、之を滅す者なからん。
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